今日は、気ままに、ムルシア州のムルシア県の県都、ムルシア(Murcia)にある、公共の中央図書館(Biblioteca Regional de Murcia / Biblioteca Pública del Estado en Murcia)にやってきました。ムルシア州の中にある県は、ムルシア県の1県のみ。いわば、一県一州です。これまで見てきた中では、マドリッド州やバレアレス諸島州と同じです。ムルシアの歴史は古く、ローマ帝国に支配される以前から周辺に集落があったとか。ウエルタ(huerta)という灌漑のおかげで土地は肥沃。そのため、農業が盛んで、レモン、オレンジ、麻、綿、サフラン、オリーブなどを産するそうです。その他にも、絹織物、羊毛、硝石、製粉、皮革、アルミニウム、家具などの産業も盛んであるとか。街には、14世紀に創建されたとされる、バロック様式の大聖堂があります。
さて、このような街にある図書館はどんな図書館なのでしょうか。主な統計値を書きます。
- 【主な統計値(2019年)】
建物内図書館利用エリア:9,835㎡
入館者数:578,856人
登録者数:154,167人
所蔵資料総数:453,004件
貸出総件数:473,204件
(出典:スペイン文化・スポーツ省のページ)
まずは、以下のページの一番下に、図書館内部の様子が見られる写真ギャラリーがありますので、興味があれば、どうぞ!
- 館内写真ギャラリー(ページ最下部)
館内設備についての説明ページを読んでいて、この図書館は、「優しい図書館」を目指しているように感じました。その理由の1つが、アクセシビリティの向上を目指していることです。具体的には、車椅子を使用する利用者のために、2階までスロープを設置したり、閲覧席やカウンターやOPACが置かれている台の高さを心持ち低くしたりしているそうです。また、読むことが苦手な利用者のために、比較的読みやすい書籍のコーナーを備えているとのこと。こうした利用者には、移民、読書に触れる機会の少なかった人、十分な教育を受けられなかった人、老化などにより読む力が低下している人などが含まれるそうです。これら書籍には、冊子体のみならず、数は少ないものの、電子書籍もあるそうです。
図書館のホームページを見ていて、興味を持ったのは、推薦図書のコーナーです。日本に関係のある本も2冊ほど紹介されていました。1冊目は、小泉八雲の怪談話(Historias de Fantasmas de Japón. Lafcadio Hearn (1850-1904))。この本には、11話が収録されていて、バンジャマン・ラコンブ(Benjamin Lacombe、1982-)という、フランスの風刺画家が挿絵を担当しているそうです。電子書籍です。2冊目は、『最後の折り鶴』(La última grulla de papel)。ケリー・ドリューリ(Kerry Drewery)という、イギリスの女性作家の作品です。彼女は、Cell 7という作品の作者として有名なのだそうです。この小説は、1945年8月6日、原爆が投下された広島を舞台に、3人の子どもたちが繰り広げる美しい友情物語なのだそうです。千羽鶴がキーになるとか。
日本について、他にも何か関連する情報はないか、と探していたところ、日本のマンガやアニメの所蔵がたくさんありました。その数なんと1000件以上。検索画面("Conectar">"Búsqueda avanzada"の順にクリック)の“materia”の項目に“ manga”と入力して検索すると、視聴覚資料も含めヒットします。検索するとき、表示件数(Ver en lista)を100件にすると、検索結果の1ページに100件表示されて見やすくなるのでオススメです。ブラウジングしてみたのですが、コナン、バケモノの子、北斗の拳、ハウルの動く城、サイボーグ009、ドラゴンボール、ドラえもん、ボルト、ナルトなどの所蔵がありました。他にも、見たことのないマンガの表紙がたくさんありました。マンガにあまり詳しくないのでわかりませんでしたが、詳しく人が見れば、珍しいものがあるかもしれません。
その他、この図書館では、展示会など、アウトプットがとても盛んです。中でも気になったのが、You Tubeを利用した、図書館案内動画。一番新しい画像を見てみましたが、歌あり踊りありの楽しい動画でした。出演者は、図書館員なのでしょうか。気になりました。
- 図書館案内動画のページ
最後に、公共図書館好きにはたまらない、ムルシア県内にある市町村立図書館マップの紹介です。ムルシア県の中に小さな図書館がこんなにたくさんあるのですね。うれしい。
以下、図書館のホームページです。ご興味があれば、どうぞ!
- 図書館のホームページ
最後まで読んでいただいて、有難うございました。
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