今日は、気ままに、カスティーリャ・レオン州のアビラ県の県都、アビラ(Ávila)にある、公共の中央図書館(Biblioteca Pública del Estado en Ávila)にやってきました。アビラは街の周囲を城壁にきれいに囲まれた中世の雰囲気が漂う街です。城壁の全長は約2,500メートルとのこと。また、聖女テレサの生誕地としても有名です。1985年に世界文化遺産に登録されています。
さて、このような街にある図書館はどんな図書館なのでしょうか。主な統計値を書きます。
- 【主な統計値(2019年)】
建物内図書館利用エリア:3,158㎡
入館者数:246,565人
登録者数:27,080人
所蔵資料総数:196,549件
貸出総件数:64,879冊
(出典:スペイン文化・スポーツ省のページ)
この図書館の歴史は、1868年まで遡ることができます。初めは、修道院から譲り受けた資料を保管していたそうです。1896年、公文書・図書館・考古学関連の文献を扱う機関となり、1899年には、貴重文献の管理も担うようになったそうです。当時は、中等教育の施設が本部の役割を担ったそうです。時を経て、1966年、県立歴史文書館に隣接する形で、図書館が建てられました。設計は、ポンス・ソローリャ(Pons Sorolla、1917-2011)という建築家でした。彼は、政府の建築部門の支部総長を務め、近代的な都市の中にいかに伝統的な要素を取り込むかという理念のもと、都市計画を進める専門家でもあったそうです。この土地は司教館の跡地であったため、工事中に、盾形の紋章、柱、柱頭など、考古学的に貴重な遺跡が発掘されました。図書館のホームページの解説では、これらの出土品は、ポンス・ソローリャにより、建物の正面玄関に「統合された(integrados)」と書かれています。「統合された(integrados)」という意味のイメージが付きにくいですが、埋め込んだりすることによって、正面玄関のデザインの中に組み入れたという感じでしょうか。その後、1996年から1999年の改装を経て、現在に至っています。
図書館のホームページでは、日本の書籍や映画のDVDを紹介するコーナーがあります。いずれも、この図書館が所蔵している資料です。書籍では、大江健三郎や桐野夏生などの作品が、映画では、黒澤映画などの古典作品をはじめ『千と千尋の神隠し』などが紹介されています。
以下、図書館と、日本の書籍、映画のDVDを紹介しているホームページです。日本の書籍については、ページ内”Japón, su cultura y su esencia, a través de los libros”、映画のDVDについては、”Cine made in Japan”をクリック下さい。ご興味があれば、どうぞ!
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