今日は、気ままに、エストレマドゥーラ州のカセレス県の県都、カセレス(Cáceres)にある、公共の中央図書館(Biblioteca Pública del Estado en Cáceres – A. Rodríguez-Moñino/M. Brey)にやってきました。カセレスには、中世の街並みがそのまま残っているような感じです。オリーブ畑に囲まれたこの街は、その美しさゆえに、「エストレマドゥーラの宝石」と称えられる程です。
さて、このような街にある図書館はどんな図書館なのでしょうか。主な統計値を書きます。
- 【主な統計値(2019年)】
建物内図書館利用エリア:3,388㎡
入館者数:310,995人
登録者数:68,267人
所蔵資料総数:221,330件
貸出総件数:176,136件
(出典:スペイン文化・スポーツ省のページ)
この図書館の歴史は、19世紀に始まります。他の公共の中央図書館と同じように、初めのうちは、修道院から譲り受けた資料を保管していたそうです。実際の保管場所としては、はじめは、中等教育施設、後に、イエズス会により設立された、人文学を専門とする王立学校に移りました。1953年からは、一つの建物を、県立の歴史文書館と共有する形で運用されていたのだそうです。1983年には、専用の敷地が与えられ、そこに図書館が移りました。2000年代に入り、その建物を2年半の歳月をかけて改装し、現在の建物に至っています。改装後、実際に利用が開始されたのは、2008年からだそうです。管理としては、1989年、エストレマドゥーラ州政府の管理下に入ったそうです。
図書館の名称に付されている人名は、同じエストレマドゥーラ州のバダホス県出身の書誌学者である、アントニオ・ロドリゲス・モニーノ(Antonio Rodríguez-Moñino、1910-1970)と、その妻であり、司書や翻訳家として活躍した、マリア・ブレイ(María Brey、1910- 1995)の名前です。1995年、夫の蔵書を妻がこの図書館に寄贈したことに敬意を表し、夫妻の名前が図書館名称に付されたそうです。
この図書館で注目すべきところは、電子書籍貸し出しサービスと、充実したコミックコーナーがあること。電子書籍貸し出しサービスについては、2005年からはじまったもので、エストレマドゥーラ州の各図書館と電子書籍のデータベースをネット上で共有し、サービスを提供しているとのことです。IDとパスワードを発行し、貸し出してくれ、スマフォでもアドビ・リーダーを使ってPDFでも読めるとのことです。
コミックコーナーの方は、スペイン語圏を初め、諸外国のコミックが集められています。日本のコミックも「“manga”(マンガ)」という分類でまとまっていて、スペイン語に訳されたものが254件ヒットします。一番人気は、『ドラゴンボール』(DRAGON BALL)のようです。日本のコミックは、スペインでも大人気のようですね。
以下、図書館、電子図書館、コミックコーナーのホームページです。ご興味があれば、どうぞ!
- 図書館のホームページ
- 電子図書館のページ
- 「“manga”(マンガ)」のページ
https://catalogo.bibliotecas.juntaex.es/cgi-bin/abnetopac?ACC=258&DI=456&bibl=BPCC&bicosu=2
最後まで読んでいただいて、有難うございました。
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