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【スペイン図書館】セウタにある公共の中央図書館

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 今日は、気ままに、ジブラルタル海峡を挟んで、アフリカ大陸のモロッコの北端、セウタ(Ceuta)にある、公共の中央図書館(Biblioteca Pública del Estado en Ceuta – Adolfo Suárez)にやってきました。セウタは、アフリカ大陸にある要塞都市ですが、スペイン領です。もともとはポルトガル領だったのですが、1580年、フェリペ2世(Felipe II、1527-1598)がポルトガル王国を併合したのと同時にスペイン領になりました。半島の先には、アチョ山(Monte Hacho)という丘があり、対岸のジブラルタルの岩山、ザ・ロック(The Rock)とともに、ギリシア神話でのジブラルタル海峡の異名、「ヘラクレスの柱」と称されているとか。岬沿いの断崖には周回道路が通っていて、南にはリフ地方の海岸線、北にはスペイン沿岸が見渡せ、ドライブに最適とか。

 さて、このような街にある図書館はどんな図書館なのでしょうか。主な統計値を書きます。

  • 【主な統計値(2019年)】
    建物内図書館利用エリア:4,986㎡
    入館者数:141,866人
    登録者数:14,414人
    所蔵資料総数:165,572件
    貸出総件数:16,143件
    (出典:スペイン文化・スポーツ省のページ

 この図書館は、そのサービスもさることながら、建物自体が非常に注目されているそうです。2013年にオープンして以来、数々の建築賞を受賞し、スペインの中でも、最も建築賞を受賞した図書館なのだそうです。

 【受賞した賞】

  • Premio Internacional “Obras Cemex 2013” (México, 2013)
  • Premio Luis M. Mansilla del Colegio de Arquitectos de Madrid (España, 2014)
  • Premio Europeo de Intervención en Patrimonio Arquitectónico AADIPA (Barcelona, 2015)
  • Premio Arquitectura S+ de sostenibilidad en los Premios Arquitectura con eñe (Madrid, 2016)

【ノミネート】

  • Premios Agha Khan (2016)
  • Mies Van der Rohe 2015
  • Premios Simón de Arquitectura

 設計は、マドリッド生まれの建築家であるアンヘラ・ガルシア・デ・パレデス(Ángela García de Paredes、1958-)と、イグナシオ・ガルシア・ペドローサ (Ignacio García Pedrosa、1957-)によるもので、図書館中央の空間に、セウタの地から出土した13世紀から14世紀の遺跡を組み込むという、斬新なデザインなのだそうです。6階建てで、そのうち3階からはその遺跡が見える構造であるとか。
 この図書館のコレクションで、注目すべきものは、セウタとその周辺の北アフリカ地域に関する資料です。民俗・習慣に関する資料の他、セウタ出身やセウタゆかりの作家の作品、この地方で発行された新聞・雑誌なども豊富に揃っているとのことです。
 また、図書館学についての資料コレクションが充実しており、図書館を運営するために役立つ資料が、本のみならず様々な媒体で集められています。専門家だけではなく、一般の利用者も利用できるそうです。
 なお、図書館の名称に付されているAdolfo Suárez(1932-2014)は、スペインの政治家です。1976年から1981年、首相を務めました。1970年代、セウタの領土帰属問題をめぐり、スペインとモロッコの間で政治的な緊張が高まる中、粘り強い対話を続け、政治的危機を回避しました。そのことが評価され、図書館の名称に彼の名前が付されましたようです。名前が付されたのは、2013年12月20日スアレス元首相の亡くなる3ヶ月前のことでした。
 以下、図書館のホームページです。ご興味があれば、どうぞ!

 最後まで読んでいただいて、有難うございました。

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