【スペイン図書館】シウダ・レアルにある公共の中央図書館

　今日は、気ままに、カスティーリャ・ラ・マンチャ州のシウダ・レアル県の県都、シウダ・レアル（Ciudad Real）にある、公共の中央図書館（Biblioteca Pública del Estado en Ciudad Real – Isabel Pérez Valera）にやってきました。シウダ・レアルは、ラ・マンチャ地方の南に位置し、古くから、ラ・マンチャ地方と南のアンダルシア地方を結ぶ交通の要所として栄えてきました。標高は約600メートル。穀物、ブドウ、オリーブを産し、特にワインは有名です。

　さて、そんな街にある図書館ははどんな図書館なのでしょうか。主な統計値を書きます。

【主な統計値（2019年）】
建物内図書館利用エリア：6,211㎡
入館者数：305,728人
登録者数：39,686人
所蔵資料総数：215,955件
貸出総件数：126,065件
（出典：スペイン文化・スポーツ省のページ）

　この図書館の歴史も、他の公共の中央図書館と同じように、19世紀に、修道院から譲り受けた資料を保管することから始まります。1896年には、県立図書館になりました。時を経て、1957年、シウダ・レアル県出身の建築家、ミゲル・フィサック（Miguel Fisac、1913-2006）の設計により、新しい建物を建てるプロジェクトが始動します。この建物は、1960年に完成しました。その頃の図書館長は、イサベル・ペレス・バレーラ（Isabel Pérez Valera、1916-1975）。彼女は、アーキュビスト、司書、ジャーナリストと多方面で才能を発揮し、地元の文化振興に尽くしたそうです。しかし、彼女は、突然、交通事故で亡くなってしまいます。その追悼の意と、彼女の業績への敬意を表し、中央図書館の名称に彼女の名前が付されることになりました。2000年代に入り、再度、新しい建物を建てるプロジェクトが始動し、2006年竣工、2010年に完成。その後、今日に至っています。
　この図書館は、ネット環境がとても整っていて、Wi-Fi環境、タブレットや電子書籍の貸し出しに加え、ストリーミング機能を利用した映画の貸し出しを行っているそうです。貸し出すことのできる映画のタイトル数は、15,000件というので驚きです。また、コミックのコレクションも充実しており、カスティーリャ・ラ・マンチャ州の各図書館に、ネットを介して目録を公開し、貸し出しを行っているとのことです。
　珍しいところでは、テレビゲームのソフトも購入しており、貸し出しも行っています。テレビゲームソフトの新刊紹介では、「キャプテン翼 RISE OF NEW CHAMPIONS」というPlayStation4のソフトが紹介されていました。OPACで、「資料形態（materia）」の蘭に“videojuegos”（ビデオゲーム）と入力して検索したところ、154件のテレビゲームソフトがヒットしました。主に、PlayStation4、Nintendo 3DS、Xbox Oneのソフトでした。日本の図書館でテレビゲームのソフトを貸し出している図書館はあるのでしょうか。
　以下、図書館と、詳細検索画面のページです。詳細検索画面のページでは、「資料形態（materia）」の蘭に“videojuegos”（ビデオゲーム）と入力して検索すると、所蔵しているテレビゲームの検索結果一覧を見ることができます。ご興味があれば、どうぞ！