今日は、気ままに、カスティーリャ・ラ・マンチャ州のクエンカ県の県都、クエンカ(Cuenca)にある、公共の中央図書館(Biblioteca Pública del Estado en Cuenca – Fermín Caballero)にやってきました。クエンカは、イベリア半島の真ん中のマドリッドと、地中海側の右端バレンシアのほぼ中間に位置します。周辺では、穀物、ブドウ、オリーブを産し、また、近隣の山地から採れる木材をもとに、木工、家具の生産が盛んなのだそうです。街は、切り立った崖の上にあり、独特な景観がとても魅力的です。1996年には、世界遺産の文化遺産に登録されています。
さて、そのような街にある図書館はどんな図書館なのでしょうか。主な統計値を書きます。
- 【主な統計値(2019年)】
建物内図書館利用エリア:3,521㎡
入館者数:244,136人
登録者数:27,804人
所蔵資料総数:252,330件
貸出総件数:103,425件
(出典:スペイン文化・スポーツ省のページ)
クエンカの中央図書館の歴史は、1846年に県立の公共図書館がつくられた時に始まりました。この図書館も、これまで見てきた公共の中央図書館と同じように、修道院や教会から譲り受けた資料を保管することが当初の役割だったようです。1861年からは、中等教育施設と建物を共同で使用し、その状態が1946年まで続きました。1965年、シウダ・レアル県出身の建築家、ミゲル・フィサック(Miguel Fisac、1913-2006)の設計により建てられた建物に場所を移しました。ミゲル・フィサックは、シウダ・レアルの公共の中央図書館の設計者でもあります。1999年から2002年にかけて、文化・スポーツ省による計画のもと、建物が一新され、今日に至っています。
クエンカの中央図書館は、カスティーリャ・ラ・マンチャ州の各図書館とネットを介して、目録や資料を共有しています。なお、カスティーリャ・ラ・マンチャ州の公共の各中央図書館のとりまとめ役は、トレドの公共の中央図書館なのだそうです。さすがは、往年の政治の中心地です。
クエンカの中央図書館の名称にも、他の公共の中央図書館と同じように、フェルミン・カバジェーロ(Fermín Caballero、1800-1876)という人名が付されています。気になって、調べてみたところ、彼は、クエンカ出身の、政治家、作家、ジャーナリストなのだそうです。政治家としては、クエンカのみならず、マドリッドでは市長として、区画の整備や、国勢調査の創始など、様々なプロジェクトを立ち上げ、活躍したとのことです。晩年は、彼のこよなく愛したクエンカ県にゆかりの人物の伝記を書くことに専念したのだそうです。
以下、図書館のホームページです。ご興味があれば、どうぞ!
最後まで読んでいただいて、有難うございました。
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