今日は、気ままに、カタルーニャ州のジローナ県の県都、ジローナ(Girona)にある、公共の中央図書館(Biblioteca Pública del Estado en Girona – Carles Rahola)にやってきました。ジローナは、バルセロナ(Barcelona)から北東方向へ、列車で約1時間、特急で約1時間程。バスもあり、1時間20分程です。中世の街並みが残る街で、フランスの国境が近いこともあり、バルセロナよりもフランスの香りがするといわれることも。街にはオニャー川(Río Onyar)が流れ、古い城壁の一部にある塔に登ると、街を一望できるのだそうです。
さて、このような街にある図書館はどんな図書館なのでしょうか。主な統計値を書きます。
- 【主な統計値(2019年)】
建物内図書館利用エリア:6,825㎡
入館者数:367,384人
登録者数:48,561人
所蔵資料総数:259,035件
貸出総件数:129,444件
(出典:スペイン文化・スポーツ省のページ)
図書館のホームページにアクセスして、まず気づいたのは、デフォルで表示される言語がカタルーニャ語であることでした。スペインには、標準語の他に、地域によって、主に、カタルーニャ語、バレンシア語、ガリシア語、バスク語が使われますが、ホームページのデフォルト言語から、民族意識が感じられるような気がしました。
この図書館の歴史は、1848年に始まります。他の公共の中央図書館と同じように、修道院から譲り受けた資料を保管するのが主な役割でした。1951年には、場所を旧養護施設に移し、その地で拡張を繰り返してきたそうです。2011年から新しい図書館をつくる動きが始まり、2014年に現在の建物が完成。今日に至っています。
図書館の名称に付されている人名、カルレス・ラホーラ(Carles Rahola、1881-1939) は、ジローナ県出身のジャーナリス、作家、政治家で、20世紀前半のカタルーニャ地方を代表する知識人なのだそうです。本をこよなく愛したのだそうです。しかし、スペイン内戦(1936-1939)の終戦間近、1939年3月15日、ジローナに侵入したフランコ軍により、銃殺されてしまいます。58歳でした。知と自由を愛した彼を忘れないように、図書館の名称に付されたようです。
図書館のホームページを見ていて、他の公共の中央図書館にはあまり見られなかったサービスとして、病院への貸し出しサービスがあげられます。同じ街にあるジョゼフ・トルエータ病院(Hospital Josep Trueta de Girona)に入院している患者さんやそのご家族の方々のために、県内の市町村の図書館や分館と協力して、所蔵資料の一部を貸し出しているそうです。2013年から始まったサービスで、週に2回、ボランティアの方々が、病院に貸し出し資料を届けてくれるそうです。借りることのできる資料は、本のみならず、コミック、雑誌、映画のDVD、音楽のCDとのこと。初めは実験的な試みでしたが、年々サービスが拡大し、軌道に乗ってきているそうです。
以下、図書館のホームページです。ご興味があれば、どうぞ!
最後まで読んでいただいて、有難うございました。
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