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【スペイン図書館】グアダラハラにある公共の中央図書館

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 今日は、気ままに、カスティーリャ・ラ・マンチャ州グアダラハラ県の県都グアダラハラ(Guadalajara)にある、公共の中央図書館(Biblioteca Pública del Estado en Guadalajara)にやってきました。グアダラハラは、イベリア半島の真ん中のマドリッドから見ますと、北東約50キロに位置します。マドリッドからサラゴサ(Zaragoza)を結ぶ鉄道路線上にあります。周辺の地域では、麦を中心とする穀物、ブドウ、オリーブの栽培が盛んです。農業の他に、養蜂、林業、岩塩、牧羊も行われているそうです。また、グアダラハラといえば、スペイン内戦(1936-1939)の激戦地としても有名です。

 さて、このような街にある図書館はどんな図書館なのでしょうか。主な統計値を書きます。

  • 【主な統計値(2019年)】
    建物内図書館利用エリア:4,418㎡
    入館者数:233,126人
    登録者数:48,139人
    所蔵資料総数:267,580件
    貸出総件数:160,690件
    (出典:スペイン文化・スポーツ省のページ

 この図書館の紹介ページの内容がとても気に入りました。「やあ!ボクはキミの図書館だよ(Hola, soy tu Biblioteca」という呼びかけから始まるからです。オッ!と思ってしまいました。その後は、こんな内容です。

もう180歳を超えてしまったよ。キミを小さい時から知っているかもしれないね。まだ紙の貸し出しカードに記入していた頃のキミ、デジタル時代になってからは、スマホ片手にOPACでボクの持っている本を検索しながら廊下を歩いているキミかもしれないね。ボクの仕事はいつも同じようなもの。人格の形成、情報の提供、お勉強の場・・・。けれども、今のボクの使命は、「ここにあること」。ボクは、キミにとって、避難場所、遊び場、文学好きのたまり場、レクレーションの庭、ネットカフェ・・・そして、何より、読書の場。キミがよく来てくれていれば、ボクと一緒に変化し続けてきただろうし、たまにしか来なければ、知り合いみたいなものだね。でも、「大きくなったね!」とか、「変わったね!」とか、声を掛け合うような知り合いだよ。そう、ボクは、家庭や職場に次ぐ、「第三の場所」。時代の変化とともに、100年以上の間、成長し続けてきたし、これからもそうなんだよ。最近ボクがしていることや考えていることを紹介するから、キミのスマフォでみてみてよ!

 とてもやさしい文章で、読んでいて思わず、心が暖まりました。 
 この図書館の歴史は、1837年に始まります。他の公共の中央図書館と同じように、修道院から譲り受けた資料を預かることから始まりました。グアダラハラは、スペイン内戦(1936-1939)の激戦地だったので、その間、図書館の貴重な資料の保存・維持にとても苦労しました。けれども、多方面から経済的な支援があったおかげで、困難を乗り越えることができたそうです。1972年からは、場所を地元の王室の宮殿内に移しました。2004年からは、現在地である、ダバロス宮殿(Palacio de Dávalos)に移り、今日に至っています。
 図書館のホームページを見ていると、たくさんの企画や活動が紹介されています。気になったのは、「バーチャル読書会(Clubes de lectura virtuales)」です。時間にも場所にも拘束されない読書会。図書館のホームページに登録する必要もないとのこと。「登録はこちらから!」というリンク以外、具体的にどんなシステムを使うかなどは書かれていませんが、新しい試みだと思いました。コロナ中にはブエナ・イデア(Buena idea、グッド・アイディア)ですね。
 もう1つとても気になった企画が、「魔法の夜(La Noche Mágica)」。10月24日に近い週に、6歳から9歳の子どもたち50人が、保護者同伴で、図書館にお泊まりするそうです。夕食もみんなと一緒。この日は特別に、閉館後の図書館に繰り広げられる数々の「秘密」が、図書館員によってちびっ子たちに明かされるそうです。夢いっぱいの企画です。なお、10月24日は、スペインでは「図書館の日」とされているそうです。なんでも、1992年、サラエボの図書館が紛争で焼失してしまったことを忘れずに、図書館をこれからも大切にして行こうと、1997年10月24日から始まったそうです。スペイン青少年書籍愛好協会により制定、文化・スポーツ省後援とのことです。2020年はコロナ禍の影響で中止になってしまったようです。早くできるようになりますように。
 これら企画の他、地元グアダラハーラ発見コーナー、地元の小さい出版社の紹介コーナー、また、特に読む本が決まっていない利用者向けに、「読書の袋」と題し、5つの資料の詰め合わせた布袋を用意しているそうです。貸出期間は1ヶ月、それぞれの袋でテーマはそれぞれ異なるとのこと。中身は本だけに限らず、音楽のCDや映画のDVDも入っているとか。
 これら魅力的な企画や活動を支えるため、この図書館では、たくさんのボランティアを積極的に受け入れています。
 図書館のホームページを読んでいて、なんだかとてもワクワクしました。グアダラハラは行ったことはありませんが、行きたくなりました。そして、その際は、是非、この図書館に立ち寄りたいと思いました。
 以下、図書館のホームページです。ご興味があれば、どうぞ!

 最後まで読んでいただいて、有難うございました。

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