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【スペイン図書館】メリダにある公共の中央図書館

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 今日は、気ままに、エストレマドゥラ州のバダホス県の街、メリダ(Mérida)にある、公共の中央図書館(Biblioteca Pública del Estado en Mérida – Jesús Delgado Valhondo)にやってきました。メリダといえば、ローマ遺跡。街には、円形劇場(Anfiteatro)、ローマ劇場(Teatro Romano)、ローマ橋(Puente Romano)など、ローマ時代の建造物がたくさん残っています。そのため1993年には、世界遺産文化遺産に登録されています。ローマ時代には、属州ルシタニア(Lusitania)の首都としてイベリア半島でも有数の都市となり、9万人もの守備隊が置かれていたそうです。

 さて、このような街にある図書館はどんな図書館なのでしょうか。主な統計値を書きます。

  • 【主な統計値(2019年)】
    建物内図書館利用エリア:3,035㎡
    入館者数:140,657人
    登録者数:30,626人
    所蔵資料総数:123,051件
    貸出総件数:108,013件
    (出典:スペイン文化・スポーツ省のページ

 この図書館の創立は1999年。建物はとても近代的です。街の西部を流れるグアディアナ川の左岸に位置し、新市街地の入り口に建っています。道路を挟んで、真向かいはバスターミナル。メリダにバスで到着した場合は、目の前に図書館の建物が見えます。
 建物は、地上3階建て。特徴的なこととしては、1階に300人も収容するこのできるホールがあること、2階に54人収容のオーディオルームがあること。各階に自動貸出機が設置されていることなどがあげられます。
 建物を設計したのは、ルイス・アランス・アルゲロ(Luis Arranz Algueró、 1951-)というサラゴサ(Zaragoza)出身の建築家で、パレンシア美術館(Museo de Palencia)の修復設計も手掛けたそうです。メインの建物は、金属を基調としたガラス張りの3つの立方体が組み合わされ、その横の地面から、花崗岩を基調とした巨大なくさび型の建造物が生え出ているデザインです。くさび型の建造物の内部はホールになっているそうです。設計のコンセプトは、新旧の融合。まず、図書館の建っている場所が、新旧市街地を隔てるグアディアナ川のほとりであり、また、その場所は、新しいルシタニア橋と古代のローマ橋の新旧両橋に挟まれています。これら2項の融合を、新しいさを代表する素材の金属とガラス、そして、旧さを代表する素材の花崗岩で表現しているとのことです。
 この図書館のサービスで目にとまったのは、「録音図書(audiolibro)」のサービスです。聴覚の不自由な利用者のために朗読を吹き込んだ音声資料です。媒体は、CD-ROMで、この図書館には259件の所蔵があるようです。もちろん貸し出してもくれます。エストレマドゥーラ州は、他の公共の中央図書館と同じように、電子書籍をネットを介して貸し出すサービス(“eliblo”)が充実していますが、「録音図書(audiolibro)」のサービスも充実しているようです。
 また、めずらしいところでは、PlayStationXbox、Nintendo Wiiなどのゲームソフト、さらにそれらの攻略本の所蔵があることです。貸し出しについては書かれていませんでしたが、借りることもできるのでしょうか。ゲームソフトについては、カスティーリャ・ラ・マンチャ州シウダ・レアルの公共の中央図書館にも所蔵がありました。その他の図書館では、あまり見かけない例です。
 なお、図書館の名称に付されている人名、ヘスス・デルガド・バルオンド(Jesús Delgado Valhondo、 1909-1993)は、メリダ出身の詩人、散文家なのだそうです。彼は、多くの作品を残し、1978年、「スペイン語詩大賞」(Primer Premio de Poesía "Hispanidad")を受賞し、1988年には、「エストレマドゥーラ勲章」を授与されました。この功績が称えられ、図書館の名称に彼の名が付されているようです。
 以下、図書館のホームページです。ご興味があれば、どうぞ!

 最後まで読んでいただいて、有難うございました。

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