今日は、気ままに、カスティーリャ・レオン州のパレンシア県の県都、パレンシア(Palencia)にある、公共の中央図書館(Biblioteca Pública del Estado en Palencia)にやってきました。パレンシアは、バリャドリッド(Valladrid)の北北東約40キロに位置します。その歴史は古く、ローマ時代からの街で、12世紀から13世紀には、カスティーリャ王国の王宮が置かれたこともあったとか。街には、16世紀初頭に完成した、ゴシック様式の大聖堂があります。産業としては、金属、機械、皮製品、陶器などを産するそうです。
さて、このような街にある図書館はどんな図書館なのでしょうか。主な統計値を書きます。
- 【主な統計値(2019年)】
建物内図書館利用エリア:3,510㎡
入館者数:379,863人
登録者数:37,039人
所蔵資料総数:205,866件
貸出総件数:142,088件
(出典:スペイン文化・スポーツ省のページ)
この図書館の歴史も、他の公共の中央図書館と同じように、19世紀の初めに始まります。最初は、修道院から譲り受けた資料を保管していました。その後、中等教育機関の一部として機能していたのですが、なかなか図書館専用の場所を得ることはできませんでした。1921年になって、ようやく、県議会の建物の1階に図書館専用の場所を得ることができたそうです。1967年には、場所を移し、公文書館と一緒に文化会館として、発展していきました。1986年、現在の場所に移り、今日に至っています。建物としては、地上4階建てです。
図書館のホームページを見ていて、興味をもったのは、移動図書館バス。サービスの開始は、1971年なのだそうです。最初は、1ヶ月に1回の循環だったそうです。1994年、街の人口の増加に伴い利用者が増えたことで、バスの台数は3台に増えました。バスはA、B、Cと3台あり、今では、このサービス専用のスマフォ用アプリがあるとのこと。図書館のホームページのQRコードからダウンロードすることができます。わたしも実際にダウンロードしてみました。停車場所の一覧が載っていて、クリックすると、バスがその停車場所に止まる日時がわかります。そのバスのための予約電話番号も書かれており、9時から14時の間に貸出し希望の本の予約を入れるとのことです。OPACのページもありますが、各バスによって検索ページが分かれています。バスによって、予約することのできる本の分野が分かれているのだと思います。日本でも、移動図書館サービスのあることは聞いたことがあります。ただ、専用アプリを配布するまでに至っているのでしょうか。
もう1つ気になったのは、カスティーリャ・レオン州の女性学専用図書館が、この図書館に設置されていることです。学術書をはじめ、この分野についての資料を様々な媒体で収集しているとのこと。テーマとしては、男女平等、暴力、男尊主義、雇用など様々。その他、数は少ないものの、そうした問題を扱った小説や映画も備えているそうです。この図書館は、ネットーワークを介して、国家レベルの女性学ドキュメントセンターの一部を構成しているとのことです。
- 女性学専用図書館のブログ
以下、図書館のホームページです。ご興味があれば、どうぞ!
- 図書館のホームページ
Biblioteca Pública de Palencia | Biblioteca Pública de Palencia | Junta de Castilla y León
最後まで読んでいただいて、有難うございました。
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