今日は、気ままに、バレアレス諸島のマヨルカ島の、パルマ・デ・マヨルカ(Palma de Mallorca)にある、公共の中央図書館(Biblioteca Pública del Estado en Palma de Mallorca - Can Sales)にやってきました。バレアレス諸島は、スペインのあるイベリア半島の東方、地中海の西部に位置するスペイン領の諸島。マヨルカ島、メノルカ島、イサビ島の3つの島からなり、行政面では、諸島全体で、1つの自治州、1つの県を構成しています。いわば、一県一州です。今回紹介する図書館のある、パルマ・デ・マヨルカはその県都。マヨルカ島の南西部に位置します。その歴史は古く、前123年にローマの植民地になったそうです。その後、6世紀にビザンツ帝国、8世紀にアラブ人に支配され、1229年にスペインの所領になったとのこと。農業が盛んで、穀物、オリーブ油、アーモンド、オレンジなどを産します。その他、家具、陶器、装飾ガラス、羊毛製品などが有名なのだそうです。街には、アラブ風の建物や、中世の建物が混在し、異国情緒漂う雰囲気があるそうです。
さて、このような街にある図書館はどんな図書館なのでしょうか。主な統計値を書きます。
- 【主な統計値(2019年)】
建物内図書館利用エリア:3,974㎡
入館者数:195,459人
登録者数:66,195人
所蔵資料総数:375,227件
貸出総件数:98,848件
(出典:スペイン文化・スポーツ省のページ)
図書館のホームページを開いて、まず気づくのは、デフォルトで表示される言語が、カタルーニャ語であることです。右上にスペイン語に切り替えるためのボタンがあります。こうしたことから、スペインが単一民族国家ではないことに、改めて気付かされます。
この図書館の歴史は、19世紀の前半に始まります。初めは、他の公共の中央図書館と同じように、修道院から譲り受けた資料を保管する役割を果たしていたそうです。時を経て、1955年に、それまであった修道院の建物から、文化会館に場所を移しました。その場所に2004年まであり、翌2005年、現在の場所に移り、今日に至っているとのことです。
2011年に納本制度が法律で定まってからは、国内で出版された書籍と、マヨルカ島に関係する資料は、すべて購入しているとのことです。
図書館の建物は、ホセ・ルイス・マルティン・クラボJosé Luís Martín Claboという建築家によって、設計されたそうです。地下1階、半地下、地上3階建てからなる建物です。
この図書館は、2011年から、国の文化・スポーツ省のデジタル化政策に参加しています。この政策に協力すべく、利用者への電子書籍の貸出しを積極的に進めています。電子書籍の貸出し規則は、1回につき30日間、延滞すると、延滞日数に比例して、貸出し停止のペナルティーが与えられるようです。
最後に、図書館の名称に付されていて、正面玄関の上部にも大きな文字で記されている、“Can Sales”の意味がわからず、図書館のホームページのどこかにそのいわれが書いてあるかと思ったのですが、ありませんでした。グーグルで検索したところ、“Can”というのは、カタルーニャ語で、「建物」、特に「家」を意味し、スペイン語では“casa de~”(〜の家)を意味すると説明するページがありました。すると、”Sales“が問題となり、これもグーグルで調べてみたのですが、腑に落ちる説明がなく、もしかしたら、ヨーロッパやスペイン、それにマヨルカ島では、説明するまでもない常識なのかもしれない、といろいろ思い巡らしました。1つ気になったのは、フランスの聖人で、彼の精神に基づき後に青少年教育を目的とするサレジオ修道会がつくられるに至った、フランソワ・ド・サール(François de Sales、1567-1622)の「サール」(Sales)」のことなのかもしれないと思いましたが、よくわかりません。「サール」(Sales)」は、フランス・アルプスを含む、フランス南東部の県にある街なのだそうです。“Can Sales”の意味がわかる方がいらしたら、よろしければ、お教え下さい。
以下、図書館のホームページです。ご興味があれば、どうぞ!
最後まで読んでいただいて、有難うございました。
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