今日は、気ままに、ガリシア州のポンテベドラ県の県都、ポンテベドラ(Pontevedra)にある、公共の中央図書館(Biblioteca Pública del Estado en Pontevedra – Antonio Odriozola)にやってきました。ポンテベドラ県は、ガリシア州南西部に位置し、大西洋に面しています。県の南部は、ポルトガルと国境を接しています。山地が多く、海岸線は入り江が多く、美しい景観が広がります。県都であるポンテベドラは中世からの港町。コロンブスがアメリカ大陸を発見したときに乗っていた、サンタ・マリア号は、この街の造船所でつくられたという説もあるそうです。産業としては、布、皮革、陶器、材木、などの生産が盛んです。その他、穀物、ワイン、果実の輸出も盛んであるとか。
さて、このような街にある図書館はどんな図書館なのでしょうか。主な統計値を書きます。
- 【主な統計値(2019年)】
建物内図書館利用エリア:3,355㎡
入館者数:184,129人
登録者数:36,839人
所蔵資料総数:245,582件
貸出総件数:97,952件
(出典:スペイン文化・スポーツ省のページ)
この図書館のホームページを見て、まず気づくのは、デフォルト表示言語がガリシア語であること。スペインが多民族国家であることに改めて気付かされます。スペイン語には右上の言語切り替えボタン(Galego/Castellano)で切り替えることができます。
さて、館外や館内の様子がわかるバーチャルビューのページありますので、ご興味があれば、まずはどうぞ!
- 館外館内バーチャルビュー
この図書館でも、他の公共の中央図書館と同じように、様々な活動が行われています。これまでの図書館であまり見られなかったものとしては、哲学講座の開催があげられます。講師は、ドミンゴス・アントム・ガルシア・フェルナンデス(Domingos Antom Garcia Fernandes)という、ポンテべドラや、同県の港町であるヴィーゴ(Vigo)の大学で哲学講座を受け持ったことのある先生だそうです。期間は、2021年10月から2022年5月末まで。ロングランです。開催時間は、毎週水曜日の19時から20時45分まで。内容はマルクス、ニーチェから環境問題まで幅広く扱うようです。参加者は何人くらいで、講義中の様子はどんな感じなのでしょうか。興味が湧きます。いずれにしても、スペインでは夕食が21時からなので、夕食前のひと勉強といったところでしょうか。講義の後は、ガリシア地方の魚介類と白ワインで乾杯。スペインは議論好きの人が多そうなので、濃密な時間が過ごせそうです。
哲学講座は少し重た目なので、他の企画を探してみました。2021年10月1日(金)の企画として、子どもたちを対象とした、紙芝居作成講座を見つけました。対象は、6歳から11歳の児童。開催時間は、18時から19時30分。先程も書きましたが、スペインでの夕食は21時からですので、その前のちょっとしたお楽しみといったところでしょうか。図書館内の本から着想を得て、自分で物語をつくり、絵やコラージュで紙芝居に仕立てていきます。紙芝居用の外枠も自分たちでつくり、最後は家に持ち帰ることができるとのことです。楽しそうですね。講座名は、「紙芝居工房(タジェール・デ・カミシバイ、Taller de Kamishibai)。スペインのガリシア地方の、こんなにも遠いところにある図書館で、「紙芝居」という日本語が使われていることを知り、うれしくなりました。
最後は、ガリシア州内の市町村立図書館マップです。同じガリシア州のオレンセの公共の中央図書館のときも紹介しましたが、図書館好きとして、今回も紹介させていただきます。
なお、図書館の名称に付されている人名、アントニオ・オドリオソラ(Antonio Odriozola、1911-1987)は、書誌学者、研究者であり、1964年から、ポンテベドラに居を構え、1981年までの長い間、ガリシア州の図書館の司書を務めた人なのだそうです。
以下、図書館のホームページです。ご興味があれば、どうぞ!
最後まで読んでいただいて、有難うございました。
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