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【スペイン図書館】サンティアゴ・デ・コンポステーラにある公共の中央図書館

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 今日は、気ままに、ガリシア州ラ・コルーニャ県の都市、サンティアゴ・デ・コンポステーラ(Santiago de Compostela)にある、公共の中央図書館(Biblioteca Pública del Estado en Santiago de Compostela – Ánxel Casal)にやってきました。サンティアゴ・デ・コンポステーラといえば、サンティアゴ巡礼の終着地。エルサレムバチカンとともに、キリスト教の3大聖地の1つです。フランスからピレネー山脈を超え、総距離およそ800キロメートル。巡礼の象徴であるホタテ貝の貝殻を身に着けた巡礼者たちが目指すのがこの街にあるゴシック様式の大聖堂です。正門をくぐるとすぐにあるのが、「栄光の門」(Pórtico de la Gloria)。その中央のアーチを貫く柱の上部から聖ヤコブスペイン語ではサンティアゴ)が彼らを出迎えてくれます。巡礼を終えた夜には、ガリシア地方の美味しい魚介類料理と、さっぱりとした白ワインが待っています。中世風の衣装を身にまとった学生たちの流しの小楽団、トゥナ(tuna)の奏でるセレナーデを聞きながら夜は更けていきます。

 さて、このような街にある図書館はどんな図書館なのでしょうか。主な統計値を書きます。

  • 【主な統計値(2019年)】
    建物内図書館利用エリア:3,704㎡
    入館者数:294,369人
    登録者数:42,891人
    所蔵資料総数:141,566件
    貸出総件数:152,954件
    (出典:スペイン文化・スポーツ省のページ

 この図書館のホームページを見て、まず気づくのは、デフォルト表示言語がガリシア語であること。スペインが多民族国家であることに改めて気付かされます。ガリシア州の他、デフォルト表示言語がその地方の言語であるのは、これまで見てきた中では、カタルーニャ地方でした。バレンシア地方の図書館はバレンシア語ではなく、スペイン語がデフォルト表示言語でした。残るはバスク地方ですが、まだ出てきていないのでデフォルト表示言語がバスク語であるのかどうか気になります。スペイン語には右上の言語切り替えボタン(Galego/Castellano)で切り替えることができます。 
 現在の図書館は、2008年に開館しました。近代的な4階建ての建物です。この図書館も他の公共の中央図書館と同じように、アクセシビリティの向上に努めています。読んでいて、これまで見てきたなかではあまりなかったものとして、パソコンの周辺機器、特に、種類の異なるいろいろなマウスやキーボードを取り揃えていることに行き届いた配慮を感じました。以下のようなものが備えられています。

 これら周辺機器の他にも、JAWS(Job Access With Speech)という、人の声を認識してマウスの代わりにパソコン操作の補助をする専用ソフトなども積極的に活用しています。
 また、耳の不自由な子どもの利用者のために、毎月の最終土曜日、手話による読み聞かせ会を行っています。手話をするスタッフの隣では、もう1人のスタッフが大きな声でそのお話を朗読します。そうすることによって、耳の不自由な利用者もそうでない利用者も楽しむことができるということです。
 珍しいサービスとして、ボードゲームの貸出しもありました。貸出し期間は21日。延長すればさらに21日借りることができます。注意事項には、付属のコマをなくさないようにと書かれていました。たしかになくしてしまいそうですね。家族や仲間みんなで楽しんで欲しいとのことです。ボードゲームの他にも、子どもコーナーに、パソコン用のゲームなど楽しい時間を過ごすための用具をたくさん用意しているので、積極的に利用して欲しいとのことです。他にどんなものが用意されているのでしょうか、気になりました。
 子どもにだけではありません。ご高齢の利用者に対しても、様々なサービスが用意されています。特に興味をもったのは、55歳以上の利用者を対象とした学習教室です。対象は、教育を受ける機会のなかった人、もしくは、もう1度学び直したい人だそうです。以下のようなプログラムが用意されているとのことです。

  • 簡単な数学
  • 読み書きの練習
  • 地理の基礎

 講師は、ガリシア州の図書館でボランティアプログラムを展開する会の方なのだそうです。定員は10名。開講は、10月の終わりから次の年の6月まで。毎週火曜日と水曜日の2回。火曜日は、11時15分から13時まで、水曜日は、10時30分から12時までとのことです。スペインの学校は、日本とは異なり、9月に始まり6月に終わるので、週に2回とはいえ、開講期間は学校のスケジュールと同じです。
 最後に、図書館の名称に付されているアンヘル・カサル・ゴセンヘ(Ánxel Casal Gosenxe、1895-1936)は、ラ・コルーニャ県出身の編集者、政治家であり、この街の市長でもありました。共和派の立場から言論の自由擁護に努めましたが、1936年7月のクーデター勃発後、反乱軍に捕らえられ、処刑されたそうです。
 以下、図書館のホームページです。ご興味があれば、どうぞ!

 最後まで読んでいただいて、有難うございました。

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