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【スペイン図書館】セビーリャにある公共の中央図書館

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 今日は、気ままに、アンダルシア州のセビーリャ県の県都、セビーリャ(Sevilla)にある、公共の中央図書館(Biblioteca Pública del Estado en Sevilla – Infanta Elena)にやってきました。

セビーリャってどんな街?

 「スペインのアンダルシア地方」と聞くと、セビーリャを思い浮かべる方は多いのでは。グアダルキビル川の左岸に位置し、ローマ、西ゴート、イスラムなど様々な民族に支配され、それぞれの時代で繁栄してきました。コロンブスアメリカ新大陸を発見した後は、新大陸との貿易を独占。まさに全盛期を迎えました。周囲のアンダルシア平野は肥沃であるため、ワイン、オレンジ、オリーブ、穀物、ワタなどの栽培が盛んです。農業の他にも、鉄鋼、金属、陶器、食品などの工業が盛んであるとか。わたしも何回か訪れましたが、いろいろな文化の交差点であっただけあり、どこか異国情緒が漂い、独特な雰囲気があります。そんなセビーリャがわたしは大好きです。毎年、春先のセマナ・サンタ(Semana Santa、聖週間)の後に行われる春祭り(Feria de abril de Sevilla)は、パンプローナ牛追い祭り(エンシエロ、encierro)、バレンシアの火祭り(ラス・ファリャス、Las Fallas)と並び、スペインの3大祭りの1つとしてとても有名です。

図書館の場所と歴史

 このような街にある図書館は、どんな図書館なのでしょうか。まずは、図書館の現在地です。以下の地図からどうぞ!

 この図書館の主な統計値を見てみます。

  • 【主な統計値(2019年)】
    建物内図書館利用エリア:4,509㎡
    入館者数:291,021人
    登録者数:105,568人
    所蔵資料総数:224,332件
    貸出総件数:112,176件
    (出典:スペイン文化・スポーツ省のページ

 この図書館は、1959年に設立されました。設立当初の蔵書は15,000冊。主に、18、19世紀のものが中心だったそうです。1979年、アルフォンソ12世通り(la calle Alfonso XII)に移転し、さらに、1999年、現在の場所に移りました。建物の設計は、アントニオ・クルス(Antonio Cruz、1948−)とアントニオ・オルティス(Antonio Ortiz、1971−)という建築家です。彼らは、セビーリャ国鉄駅、サンタ・フスタ駅(Estación de Santa Justa)の設計も手掛けたそうです。この駅は、セビーリャに鉄道で着く時の玄関口。とても大きくて立派な駅で、マドリッドとの間を往復する新幹線の発着駅でもあります。現在の図書館は、マリア・ルイサ公園(Parque de Mría Luisa)という大きな公園のすぐ近くにあります。この公園は、1929年にセビーリャでイベロアメリカ博覧会(Exposición Iberoamericana)が開催された時の会場だったそうです。現在の図書館のある場所の周りには、アメリカ合衆国、ペルー、ウルグアイ、チリのパビリオンが建っていたとのこと。図書館は、地上2階建てで、自然光を十分に取り入れる工夫が施された、ともて近代的な建物です。

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読書会の充実

 この図書館では、他の公共の中央図書館と同じように読書会がとても盛んです。その数、なんと、22個。これまでいろいろな州の公共の中央図書館を見てきましたが、アンダルシア州にある公共の中央図書館の読書会の量は、他の州に比べてとても多い印象があります。この図書館の読書会の多くは、月に一度、図書館の活動ルームで開催されます。定員は、各グループ20名。これ以上人数を増やさないのは、参加者全員が発言できるようにとの配慮からだそうです。使用する図書は、購入することもあるし、アンダルシア州内の図書館が協力しあって、相互貸借することもあるそうです。中には、ブログをつくっているグループもあります。具体的には、次のような会があります。

  • 大人用読書会(19グループ)
    Club de los Lunes(月曜クラブ)
    Club Asaber(クラブ アサベル)
    Club El Jardín(クラブ お庭)
    Club Sine Nomine(クラブ 名無し)
    Club Libroadictos(クラブ 読書中毒)
    Club Alejandría de novela histórica(歴史小説クラブ アレクサンドリア
    Club Ocnos(クラブ オクノス)
    Club de los Jueves(木曜クラブ
    Club Acercanza(クラブ アセルカンサ)
    Club Gran Gatsby(クラブ グラン・ギャツビー)
    Club de lectura en francés (martes)(フランス語読書会 火曜日)
    Club de lectura en francés (miércoles)(フランス語読書会 水曜日)
    Club de lectura en inglés (lunes)(英語読書会 月曜日)
    Club de lectura en inglés (martes)(英語読書会 火曜日)
    Club de lectura en aleman(ドイツ語読書会)
    Club de lectura en portugués(ポルトガル語読書会)
    Club de lectura en italiano(イタリア語読書会)
    Club de lectura Cronopios(クラブ クロノピオス)
    Club de lectura feminista Aracne(フェミニスト読書クラブ アラクネー)
  • 青少年用読書会(3グループ)
    Club Joven de Lectura Montag (juvenil)(青少年読書クラブ モンターグ)
    Club Tali (infantil)(幼児読書クラブ タリ)
    Club de lectura en familia MOMO (ファミリー読書クラブ モモ)
  • 読書会の紹介ページ

    Clubes de lectura - Biblioteca Pública del Estado - Biblioteca Provincial de Sevilla

アクセシビリティの追求

 この図書館では、アクセシビリティの向上に努めています。特に、視力に障害をもつ利用者に対し、さまざまなサービスを行っています。例えば、拡大読書器、文字を拡大する専用ソフトを搭載したパソコン、人の声を認識してマウスの代わりにパソコン操作の補助をする専用ソフトであるJAWS(Job Access With Speech)を搭載したパソコン、などを備えているとのことです。このJAWSという専用ソフトは、他の公共の中央図書館、例えばガリシア州サンティアゴ・デ・コンポステーラの公共の中央図書館などでも導入例がありました。さらに、大文字図書のコレクションが充実しており、こうした事例を通して、より多くの利用者へのバリアフリーを目指しているそうです。

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アンダルシア州内市町村立図書館マップ

 アンダルシア州内の市町村立図書館マップが公開されていましたので、ご紹介します。図書館のある場所を示す神殿のモニュメントアイコンをクリックすると、その図書館の住所、電話番号、メールアドレス、開館時間がポップアップされます。このマップを見るたびに、小さな市町村立図書館がこんなにもたくさんあることが実感できて、なぜかうれしくなります。

図書館名称に付されている人名Infanta Elenaって?

 図書館の名称に付されている人名、エレナ王女(Infanta Elena、1963-)は、前国王であるフアン・カルロス1世(Juan Carlos I、1938−)と前王妃ソフィア(la reina Sofía、1938−)の長女で、現国王であるフェリペ4世(Felipe VI、1968−)のお姉さんです。1995年3月18日にセビーリャの大聖堂で結婚式を挙げられたそうです。この図書館は1999年に開館しましたが、その開館セレモニーにも参加されました。そのことを記念して、図書館の名称にお名前が付されたのでしょうか。

 以下、図書館のホームページです。ご興味があれば、どうぞ!

 最後まで読んで頂いて、有難うございました。

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