今日は、気ままに、カスティーリャ・レオン州のバリャドリッド県の県都、バリャドリッド(Valladolid)にある、公共の中央図書館(Biblioteca de Castilla y León / Biblioteca Pública del Estado en Valladolid)にやってきました。
- バリャドリッドってどんな街?
- 図書館の場所と歴史
- アクセシビリティ向上の試み
- ボードゲームの所蔵
- ボードゲームで遊ぼう
- ロボットについて学ぼう!
- 充実したブログ
- 盛んなSNS発信
- 図書館のホームページ
バリャドリッドってどんな街?
13世紀初めに一時はカスティーリャ王国の王宮が置かれたこともありました。1469年には、カスティーリャ王国のイサベル(Isabel I, la Católica、1451-1504)とアラゴン王国のフェルナンド(Fernando II,Fernando el Católico、1452-1516)の結婚式がこの地で行われました。また、アメリカ新大陸を発見したコロンブス(Cristóbal Colón、1451頃-1506)が死去した地でもあります。県の北部はスペイン有数の穀倉地帯の1つで、ムギ、サトウキビ、トウモロコシの栽培が盛んです。産業では、繊維、食品、機械工業が盛ん。街中には、12世紀のサンタ・マリア教会、16世紀の大聖堂、1346年に創立されたとされる大学があります。
図書館の場所と歴史
このような街にある図書館は、どんな図書館なのでしょうか。まずは、図書館の現在地です。以下の地図からどうぞ!
この図書館の主な統計値を見てみます。
- 【主な統計値(2019年)】
建物内図書館利用エリア:5,800㎡
入館者数:481,227人
登録者数:87,712人
所蔵資料総数:709,447件
貸出総件数:273,988件
(出典:スペイン文化・スポーツ省のページ)
この図書館の外観はとても立派です。それもそのはず、この図書館のもともとの建物は、もともとはバリャドリッドのベナベンテ伯爵の住まいで、この地において最も重要な宮殿の1つでした。建てられたのは1515年。16世紀の中頃には、スペイン帝国最盛期の国王、フェリペ2世(Felipe II、1527−1598)や、フェリペ3世(Felipe III、1578−1621)の住居になったこともあるそうです。時代が下り、19世紀初頭から1970年代にかけて、街の孤児院として使用されるようになります。その後、1980年代より、公共図書館として使用されるようになりました。孤児院で育った方々がお年を召して久しぶりに図書館を訪れて思い出を語るページがありました。スペイン語なので、難しいですが、画像には、当時の孤児院であったときの映像も重ねられたりして興味深いです。ご興味のある方は、以下のリンクから、どうぞ!
アクセシビリティ向上の試み
この図書館のホームページには、ページのタイトルの横に音声再生ボタンが付いていて、そのボタンを押すと、ページタイトルを読み上げてくれる機能があります。ただ、本文までは読み上げくれません。しかし、目の不自由な利用者にとっては、そのページがどんなページがわかるのでともて助かる機能だと思います。
ボードゲームの所蔵
この図書館は、ボードゲームをとても多く所蔵しています。所蔵しているボードゲームのリストをPDFファイルでダウンロードすることができます。実際にダウンロードしてみたところ、なんと213ページもありました。1ページに1つずつゲームが載っていますので、約200個!?ボードゲームについては、サンティアゴ・デ・コンポステーラにある公共の中央図書館でも所蔵がありました。ボードゲームは、決断力を養うのにとても適しているということです。貸出期間は、15日間。次に予約が入っていなければ、さらに15日間延長できるそうです。
ボードゲームで遊ぼう
ボードゲームを所蔵しているだけではなく、この図書館は、小学生(7歳から12歳)の利用者のために、ボードゲームの会を周期的に開催しているようです。定員は10名。次のようなボードゲームをみんなでするそうです。どんなルールなのかよくわかりませんが、タイトルを見ているだけでおもしろそうです。
- ウサギとカメ(La liebre y la tortuga)
- ラッシュアワー(Rush hour)
- 魔法の迷宮(El laberinto mágico)
- たけのこ(Takenoko)
- ピコ−ピコ(Piko-piko)
- どうぶついっぱい(Animal sobre animal)
- タブー(Tabú)
- ジャングルスピード(Jungle speed)
- 3×4 バン!(3x4 Zas!)
ロボットについて学ぼう!
ボードゲームの会の他にも、小学生の利用者を対象に、ロボットを学ぶための会(TALLERES DE ROBÓTICA)もあります。次のようのプログラムが用意されています。こうした会を通して、この分野やつくることに興味を持ってもらえればよいですね!
- ロボット工学の基礎を学ぶ教室
- ロボット工学の歴史を学ぶ教室
- アンドロイドについて学ぶ教室
- レゴのパーツを使って簡単なロボットをつくる教室
- レゴのパーツを使ってコントロール可能のロボットをつくる教室
充実したブログ
この図書館では、4つのブログを公開しています。どのブログも更新頻度が高く、活動の活発さが伝わってきます。ご興味がれば、以下のリンクから、どうぞ!
盛んなSNS発信
SNSによる情報発信も盛んです。いくつか見てみたのですが、You Tubeで、男の子が館内を探索するという設定で、各フロアや館内設備を紹介していく動画がとてもよいと思いました。また、Issuuというもので、推薦図書や、図書館発行の刊行物が公開されています。日本の図書館のホームページではあまり見かけないサービスなので、興味を持ちました。ご興味があれば、以下のリンクから、どうぞ!
図書館のホームページ
Biblioteca de Castilla y León | Biblioteca de Castilla y León | Junta de Castilla y León
最後まで読んで頂いて、有難うございました。
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