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【スペイン図書館】ビトリアにある公共の中央図書館

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 今日は、気ままに、バスク州のアラバ県の県都ビトリア(Vitoria)にある、公共の中央図書館(Biblioteca Pública del Estado en Vitoria-Gasteiz – Casa de Cultura Ignacio Aldecoa)にやってきました。

ビトリアってどんな街?

 ビトリアはスペイン北東部に位置する、バスク地方の1都市。街の名前は、581年に西ゴート王レオビギルドがバスクとの戦いでの戦勝を祝い、ビクトリアクムと命名したことに由来するとか。1200年、カスティーリャ王アルフォンソ8世(Alfonso VIII、1155-1214)が征服し、その王国の一部になりました。旧市街地の丘の上には、12世紀の後半につくられた聖母マリア大聖堂があります。街なかには、12世紀の聖ミゲル聖堂、14世紀の聖ペドロ聖堂などがあります。産業としては、家具、自動車、農業機械などの製造、製糖などが行われています。

図書館の場所と歴史

 このような街にある図書館は、どんな図書館なのでしょうか。まずは、図書館の現在地です。以下の地図からどうぞ!

 この図書館の主な統計値を見てみます。

  • 【主な統計値(2019年)】
    建物内図書館利用エリア:3,673㎡
    入館者数:307,431人
    登録者数:14,112人
    所蔵資料総数:335,054件
    貸出総件数:115,033件
    (出典:スペイン文化・スポーツ省のページ

 今回の図書館のあるのはバスク地方です。バスク地方母語は、バスク語です。だから、図書館のホームページのデフォルト表示言語もバスク語だと思ったのですが、スペイン語で表示されました。スペイン語とは異なる母語を持つ、カタルーニャ州バレンシア州ガリシア州の公共の中央図書館のホームページでは、デフォルト表示言語が、それぞれ、カタルーニャ語バレンシア語、ガリシア語でした。バスク地方はとても民族意識が強い地方と聞いたことがあるので、バスク語がデフォルト表示言語でないことが少し意外でした。なお、右上に言語切り替えボタンがあり、そこからバスク語に切り替えることができます。
 図書館の名称に付されている、イグナシオ・アルデコア(Ignacio Aldecoa、1925-1969)はビトリア出身の作家、詩人です。短編を得意とし、44歳という若さで世を去りましたが、1950年代にスペインで興った小説の新しいレアリズム運動の中心人物の1人であったとか。
 図書館の建物としては、3階建てです。

自動貸し出しサービスの開始

 コロナウィルスの蔓延後、日本の図書館でも、自動貸出機の普及する勢いが加速したように感じます。いつも利用している、市内の公共図書館でも、ほぼすべてのOPAC端末にバーコード読み取り機が繋がれていて、自動貸出ができるようになりました。ビトリア図書館でも、自動貸出機のサービスが最近導入されたようで、ホームページには「新サービス!」(¡Nuevo servicio!)と書かれてあります。設置場所は1階。本や雑誌は貸出、返却ができますが、DVDとCDはサービス対象外。貸出期間の延長処理はできないそうです。

マジック特集のページ

 子どもの利用者向けの推薦図書ページで、マジックの本が紹介されていました。そこで、ネットで少し調べてみると、スペインはなんとマジック王国であるとか。リストの先頭は日本語のタイトルの本、『アスカニオのマジック』とあります。La concepción estructural de la magia(『マジックの構造的理解』)からの翻訳本であるようです。アスカニオ(Arturo de Ascanio、1929−1997)はスペインのマジシャンで、カードマジックを得意とし、彼の理論は世界中のマジシャンに影響を与えたのだとか。

https://web.araba.eus/documents/105044/4840763/Folleto+completo+v+Web+Magia.pdf/cd63d6e5-28d5-02d3-0fbe-f7792f520edf?t=1633677083484

やさしい読書のための活動

 この図書館では、身体的、精神的、社会的など、何らかの理由により、読書をすることが困難な利用者のために、オーディオブックや、読みやすい内容の本を取り備えたコーナーを設けています。こうした取り組みは、1997年に国際図書館連盟(International Federation of Library Associations and Institutions)が示した、ガイドラインに則って行われているそうです。なお、国際図書館連盟は、スペイン語では、Federación Internacional de Asociaciones de Bibliotecarios y Bibliotecasというそうです。

子どもの利用者のための企画

 これまで見てきた公共の中央図書館にも、子どもの利用者向けの特集ページがありました。この図書館では、「哲学講座」(どうして人によってこれほど見え方が違うのだろうか)、「カリグラフ特集」、「市内公園の歴史200周年ガイド」などの特集が組まれています。ご興味がれば、以下のリンクから、どうぞ!

詩の朗読会

 詩の朗読会を紹介するページがありました。日本では、詩の朗読会はそれほど盛んではないと思いますが、スペインではよく開催されます。わたしがスペインの地方の街に住んでいたときも、大学や街の図書館でよく詩の朗読会が開催されました。何度か参加したことがありますが、日本ではまったく経験がなかった分、とても新鮮な印象を受けました。この図書館が開催してきた、過去の詩の朗読会の一覧を見ていたら、なんと、日本の俳句を題材とした回がありました。映像やパフォーマンスを交えながら、俳句を朗読する企画であったようです。ご興味がれば、以下のリンクから、どうぞ!

55歳以上の利用者向け講座

 他に目を引いた企画として、55歳以上の利用者を対象にした講座が開催されていました。クラス名は、「クラス+55」(Aulas +55)。ナイスネーミングです。55歳をすぎると、これまで以上に健康管理が大切です。いろいろなプログラムが用意されていますが、体を鍛えるためのプログラムに登録したら、参加は必須。参加できな場合は、ジムのトレーニングマシーンで自主トレをするようにとのこと。なかなか厳しい講座のようです。

バスク地方の公的・専門機関のオンラインカタログ

 バスク地方にある、公的・専門機関/施設が所蔵する資料をネットを通して検索することのできる、オンラインカタログがありました。図書館、州の行政機関、地方議会、市町村庁、大学やその他の専門機関など、約150のカタログから資料を検索することができるそうです。年に4回メンテナンスを行うことにより、最新の状態に保てるよう心がけているそうです。

図書館のホームページ

 Casa de Cultura Ignacio Aldecoa

 最後まで読んで頂いて、有難うございました。

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