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【スペイン図書館】サモーラにある公共の中央図書館

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 今日は、気ままに、カスティーリャ・レオン州のサモーラ県の県都サモーラ(Zamora)にある、公共の中央図書館(Biblioteca Pública del Estado en Zamora)にやってきました。

サモーラってどんな街?

 サモーラは、スペイン北西部に位置する、ドゥエロ川に面した街。かつてはレオン王国の主要都市として栄えました。県としては、西側でポルトガルと国境を接しています。主要農産物は、穀物と豆類で、ワイン、亜麻布なども産します。高地では、ヒツジやヤギの飼育がなされており、そのため、毛・綿織物産業も盛んです。街には、8世紀の砦、12世紀のロマネスク様式の教会、14世紀のアーチ橋があります。

図書館の場所と歴史

 このような街にある図書館は、どんな図書館なのでしょうか。まずは、図書館の現在地です。以下の地図からどうぞ!

 この図書館の主な統計値を見てみます。

  • 【主な統計値(2019年)】
    建物内図書館利用エリア:3,800㎡
    入館者数:230,956人
    登録者数:30,880人
    所蔵資料総数:273,267件
    貸出総件数:140,350件
    (出典:スペイン文化・スポーツ省のページ

 この図書館の歴史は、1846年に始まりました。他の公共の中央図書館と同じように、初めは、19世紀に行われた永代所有財産解放の過程で閉鎖された修道院の資料を、保管していたようです。1895年から県立図書館となりますが、建物は他の公共施設と共有していました。1935年場所を移し、1957年からは、県内の市町村立図書館をシステムを通して統べる役割を担うようになります。1971年には、文化会館の建物の中に、歴史公文書館とともに入ります。この頃から、市民による図書館の利用が増えてきたそうです。1987年、名義は国、実際の管理は州という現在の管理体制になり、1999年から2002年には、拡張工事が行われ、利用面積もそれまでの2倍になり今日に至っています。建物は3階建てのとても立派なもので、内部にはアーチあります。

アクセシビリティの追求

 この図書館のホームページの主だった案内ページには、画面の左上にスピーカーマークがついていて、目の不自由な利用者のために、そのページのタイトルと本文を自動音声で読み上げてくれます。タイトルだけを自動音声で読み上げてくれるサービスは、バリャドリッドの公共の中央図書館にもありましたが、本文まで読み上げてくれるのはこの図書館が初めてです。

スマホ用アプリの提供

 この図書館は、利用者に対し、専用のスマフォ用アプリを提供しています。そのアプリは利用者カードも兼ねています。本人だけではなく、家族内の扶養者や未成年のカードを登録することもできるそうです。このアプリから、カスティーリャ・イ・レオン州内の市町村立図書館へのアクセスや、主なサービスの利用ができて、とても便利とのことです。日本に、利用者用のアプリを提供している図書館はあるのでしょうか。

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充実した展示

 この図書館には、とても広い展示空間があり、展示活動が盛んです。展示のテーマは、主に本や読書に関するもの。過去には、以下のような展示会が開催されました。どれもおもしろそうです。

  • サンティアゴ巡礼の今と昔(AYER Y HOY DE LOS CAMINOS A SANTIAGO POR CASTILLA Y LEÓN. EL CAMINO FRANCÉS)
  • 飛び出す絵本のクリスマス(NAVIDADES DE PAPEL)
  • ドイツ現代文学(LITERATURA ALEMANA CONTEMPORÁNEA)
  • 第10回カスティーリャ・イ・レオン建築賞(X PREMIO DE ARQUITECTURA DE CASTILLA Y LEÓN)
  • 紙でつくったベレン(EL BELÉN DE PAPEL. COLECCIÓN HERNANZ-CASADO)
  • ドゥエロ川の風景(PAISAJES DEL DUERO-DOURO. FÉLIX NAVARRO, RAFAEL NAVARRO)
  • 写真で振り返るウナムーノの生涯(MIGUEL DE UNAMUNO. UNA VIDA EN FOTOGRAFÍAS)
  • 学生寮(EXPOSICIÓN LA RESIDENCIA DE ESTUDIANTES)
  • クリムト:現代美術の先駆者(GUSTAV KLIMT: PIONERO DEL ARTE MODERNO)
  • ヘルマン・ヘッセ:人生と作品(HERMANN HESSE. VIDA Y OBRA)

移動図書館

 この図書館は、移動図書館サービスの充実を図っています。このサービスが始まったのは、1985年頃。当時、県内には、児童、生徒用の図書館が不足していました。そこで、県民の読書水準を高めるために、このサービスが始まりました。移動図書館の活動の普及のために、レクリエーション、作品や作家の紹介、読み聞かせなどを行い、さまざまな工夫をしてきました。そのかいもあって、この図書館の人気のサービスとなり、県民の読書力の向上にも貢献できたとのことです。移動図書館の活動を発信するSNSがありますので、ご興味があれば、どうぞ!

図書館のホームページ

 最後まで読んで頂いて、有難うございました。

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