今日は、気ままに、アラゴン州のサラゴサ県の県都、サラゴサ(Zaragoza)にある、公共の中央図書館(Biblioteca Pública del Estado en Zaragoza)にやってきました。
サラゴサってどんな街?
サラゴサは、スペイン北東部に位置する、エブロ川に面する街。古くから、商業、軍事上の要所で、8世紀にイスラム教徒に占領された後、12世紀はじめにキリスト教徒により奪還された以降はアラゴン王国の首都になったこともありました。現在は、スペインにおける工業の中心地の1つになっています。また、フランスからスペイン各地につながる、幹線道路や鉄道が集中し、交通の要所として、商業の中心地でもあります。街には、イスラム時代に築かれたアルハフェリア宮殿、ゴシック・ロマネスク様式の大聖堂、15世紀後半に創立されたサラゴサ大学など、歴史的建造物が多く残っています。また、スペインの誇る天才画家、ゴヤ(1746−1828)が活躍した街としても有名です。
図書館の場所と歴史
このような街にある図書館は、どんな図書館なのでしょうか。まずは、図書館の現在地です。以下の地図からどうぞ!
この図書館の主な統計値を見てみます。
- 【主な統計値(2019年)】
建物内図書館利用エリア:6,666㎡
入館者数:545,806人
登録者数:99,129人
所蔵資料総数:307,318件
貸出総件数:275,867件
(出典:スペイン文化・スポーツ省のページ)
この図書館の歴史は、1920年まで遡ることができます。この年、市民のための図書館ができたからです。建物は、1908年にサラゴサで開催された、スペイン−フランス博覧会(Exposición Hispano-Francesa)用に建てられたものの1つが利用されました。時を経て、1990年に場所を移し、建物も一新されます。その後は、公共の中央図書館として、社会の変化に適応しつつ発展し続けています。
ホタに関するコレクション
この図書館には、ホタ(Jota)についての資料の充実したコレクションがあります。ホタとは、スペインの民俗舞踊の1つで、サラゴサのあるアラゴン地方に起源をもち、バレンシア地方をはじめスペイン全土に広まったものです。活発な3拍子のリズムで、カスタネットやギターの伴奏に合わせて男女のペアーが情熱的に踊ります。ご興味があれば、以下のリンクから、どうぞ!
多目的ホールと展示ルーム
この図書館の中地下には、とても立派な多目的ホールがあり、広く公共活動に利用されています。利用のされ方はさまざま。所蔵資料の紹介、会議、座談会、上映会など。収容人数は100人。設備も充実しており、マイク、パソコン、プロジェクター、譜面台、オーディオ機器が揃っています。
展示ルームも立派です。広さは92平方メートル、約28坪。自然の光をうまく取り入れることによって、展示作品の持ち味を引き出します。
多目的ホールも展示ルームも、利用可能時間は図書館の時間割に沿っています。月曜日から金曜日までは、9時から21時まで、土曜日は9時から14時まで。なお、出版物や展示作品の販売など、営利目的の利用は禁止されています。
パソコンルーム
館内のネット環境については、1階にパスワードなしで20分間利用できるパソコンが8台用意されているそうです。3階には、パソコンルームがあり、インターネットに接続されたパソコン24台を利用することができます。各パソコンにはオートメーションソフトも一式インストールされているとのこと。1枚0.1ユーロ(約14円、1ユーロ:約136円〈202205現在〉)でプリンタから紙で出力することも可能。大人の利用者が利用でき、1人につき1日1時間利用することができます。その他、館内Wi-Fiも完備されているそうです。
子ども利用者向けコーナーの充実
子どもの利用者向けのページがとても充実しています。子どもの利用者向けに文学を楽しむページに限らず、保護者や、児童文学の研究者に対しても、児童書を扱っている地元の出版社や、児童文学を学べる近郊の教育機関の情報を提供しています。なかでも、サラゴサにオフィスをもつ児童書を扱う出版社のリンク集に惹かれました。
楽しそうなブログ
他にもなにかおもしろそうなページはあるかなあ、と思い探していると、楽しそうなブログのページがありました。1つは、子どもの利用者のためのプログページで、クリックしてみると、トップ画面がとても素敵でした。写真や絵がいっぱいで、更新頻度も高そうです。もう1つは、家族とお出かけするのに適したサラゴサ近郊のオススメスポットを紹介するブログです。こちらも、トップ画面がとても素敵。どちらも、図書館主催のホームページではないようですが、地元の皆さんのサラゴサが大好きな気持ちが伝わってくるような気がしました。ご興味があれば、以下のリンクから、どうぞ!
図書館のホームページ
最後まで読んで頂いて、有難うございました。
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