今日は気ままに、ナバーラ州のパンプローナ(Pamplona)にやってきました。マドリッドから見ますと、北北東(右斜め上)に位置します。マドリッドからですと、特急で約5時間、バルセロナ(Barcelona)からは約6時間から8時間、サン・セバスティアン(San Sebastián)からは約2時間です。バスですと、マドリッドから約5時間、バルセロナからは約5時間半、サン・セバスティアンからは約1時間半です。
パンプローナといえば、おなじみの牛追い祭り。セビーリャの春祭り(Feria de abril de Sevilla)、バレンシアの火祭り(ラス・ファリャス、Las Fallas)と並び、スペイン3大祭りの1つです。街の守護聖人である、サン・フェルミンのお祭りです。毎年7月上旬におよそ一週間開催されます。お祭り初日正午、市役所ベランダから市長が開会を宣言します。市役所広場前に集まった参加者たちは大興奮。白いつなぎの服に赤いスカーフを首に巻いた彼らは熱狂の渦に包まれます。
翌朝午前8時からは、待ちに待った「牛追い」の始まりです。出発地点は、ナバーラ美術館の下に設営した囲い場。そこから牛たちが放たれ、勇敢な男衆が約800メートル離れた闘牛場まで牛たちを追い込みます。そのため、このお祭りのことをスペイン語では、エンシエロ(encierro、囲い込み)といいます。年によっては、死者出ることも。ヘミングウェイの『日はまた昇る』の舞台になったことでも有名です。
この「牛追い」、お祭りの期間中は毎朝行われます。そして、その様子がなんと毎朝テレビでライブ中継されるのです。わたしも期間中毎日見ていましたが、だんだんと慣れてきて、日常に溶け込んでしまったのことがなんとなく不思議でした。また、中継では、それなりに年を帯びた非常に落ち着いた渋い声の方が牛追いの様子を解説するのです。このお祭りの会長さんような方なのでしょうか。解説内容は、その日の牛たちのコンディションや追い込む勇者たちの立ち居振る舞いについてなのですが、そのたんたんとした声と画面に流れる興奮した様子のギャップが実に印象的でした。
さて、出走前、勇者たちが声を合わせて歌う歌があります。パンプローナの少し南にあるトゥデーラ(Tudela)という町出身の友だちから、その歌を教えてもらいました。
- サン・フェルミンの歌
A San Fermín pedimos,
por ser nuestro patrón,
nos guíe en el encierro
dándonos su bendición
¡Aúpa, San Fermín!
¡Aúpa! ¡Gora San Fermín!
¡Gora! ¡Viva San Fermín!
¡Viva!
(発音)
ア/サン/フェルミン/ペディモス
ポル/セール/ヌエストロ/パトロン
ノス/ギーエ/エン/エル/エンシエロ
ダンドノス/ス/ベンディシオン
アウーパ/サン/フェルミン
アウーパ/ゴラ/サン/フェルミン
ゴラ/ビーバ/サン/フェルミン
ビーバ
(おおまかな意味)
私たちはサン・フェルミンにお願います。私たちの守護神でありますからには、牛追いではどうか私たちをお導き下さるよう、祝福をお与え下さい。
万歳、サン・フェルミン
万歳、万歳、サン・フェルミン
万歳、万歳、サン・フェルミン
万歳
彼によれば、“Gora”はバスクの言葉でViva(万歳)の意味だそうです。
わたしは牛追い祭りに行ったことはありませんが、パンプローナには行ったことがありす。その時、町を歩いていて、とあるご老人に牛追いの出走地点を尋ねると、親切にもその場まで連れて行ってくれました。そして、石畳に深く刻み込まれた、牛のひづめの後を指さしながら、今度は祭りの時期に来るんだぞ、得意満面。その人なつこそうな、赤ら顔の笑顔が今でも忘れられません。コロナウィルスの蔓延で、2020年と2021年は延期になってしまいました。残念。2022年は開催予定です。サン・フェルミン、2022年はどうか牛追い祭りができるようお導き下さい!
以下関連ページをまとめます。ご興味があれば、どうぞ!
- 市のホームページ
Pamplona | Visit Navarra - Web Oficial de Turismo de Navarra
-
牛追いルート
- サン・フェルミンの歌(記事内の動画を再生すると歌を聴くことができます。)
"A San Fermín pedimos...": la canción que canta Pamplona antes del encierro
- 2021年はコロナウィルスの蔓延で延期を報じるエル・ムンド(El Mundo)紙
Suspendidos los Sanfermines 2021 por el coronavirus | San Fermín
最後まで読んでいただいて、有難うございました。
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