木、本、子
スペイン語でいうと、árbol(アルボル)、 libro(リブロ)、hijo(イホ)。これら、3つの言葉から、何を連想しますか。もう少し言葉を添えれば、Plantar un árbol, escribir un libro, tener un hijo.(プランタール/ウン/アルボル、エスクリビール/ウン/リブロ、テネール/ウン/イホ)。意味は、「木を植えること、本を書くこと、子を持つこと」です。これだといかがでしょう。
スペインを旅していたとき、とあるご老人の口から、初めて、この言葉を聞きました。そのご老人によれば、なんでも、これら3つは、少し前のスペイン人が人生を通してしてみたいことの典型だったとか。その時は、聞き流してしまいましたが、ネットで検索してみると、この言葉、イスラム起原で、キューバのモデルニスモの詩人であるJosé Martí(ホセ・マルティ、1853-1895)が言ったとか言わなかったとか*1。そのご老人と出会ったのは、Salamanca(サラマンカ)という古い街。ちょっとしたきっかけで会話が始まり、老後の夢を聞かせてくれました。なんでも自分史を書き、それを自費出版したいのだとか。そのために、日々、市立図書館の郷土資料室に通い詰めては、自らのルート探しをしているとのこと。「本を書くこと」。その延長として出てきたのがこの言葉でした。
その出会いから少し経ったある日、市立図書館の郷土資料室に行ってみると、ご老人でいっぱい。とくに男性が多かったのが印象的でした。歴史的に人種の交流が激しく、様々な国から先祖が入ってきているスペイン。黙々と調べ物をする彼らの背中に、日本人の感覚ではわかりえないような、なにか切実な思いを感じ取ってしまいました。
さて、この言葉を今の自分に引きつけて考えてみると、木を植えることに興味があります。若い時にすることがなくて、仕方なしに、木の名前を一つずつ覚えていったことがありました。そのおかげで、木が好きになりました。植えるなら、何を植えましょう・・・いつも緑で、花もきれいで、実もなって・・・レモンでも植えてみようかな・・・みなさんなら、何を植えますか。
最後まで読んでいただいて、有難うございました。
スポンサーリンク