スペイン 気ままに ネット旅

スペインをネットで気ままに旅するブログ

【スペイン図書館】バレンシアにある公共の中央図書館

f:id:kimamy:20211205092418p:plain

 今日は、気ままに、バレンシア州バレンシア県の県都バレンシア(Valencia)にある、公共の中央図書館(Biblioteca Pública del Estado en Valencia - Pilar Faus)にやってきました。

バレンシアってどんな街?

 バレンシアは、スペイン東部に位置する、地中海に面した街。スペインで3番目に大きい都市です。古代ギリシア人によって建設された古い街で、11世紀にはイスラム教徒の小王国であったバレンシア王国の首都だったそうです。13世紀にキリスト教徒の手に渡りました。バレンシアといえば、オレンジ、パエーリャ、そして、春の初めに開催される火祭り(ファリャス)。街路には、オレンジの木がたくさん植えられ、搾りたてのオレンジジュースを飲ませてくれる売店もたくさんあります。火祭りのときは、遊歩道で、見たこともないような大きな鍋で、パエーリャが作られます。産業としては、伝統的な絹の織物、家具、陶器などの生産のほか、造船、金属、石油、化学工業などが盛んです。気候は快適で、街の中には、13世紀から15世紀に建設された大聖堂や、国立陶器博物館、15世紀中頃に創立された大学などの歴史的建造物が多く残ります。中でも、1533年に完成した絹の取引所(ラ・ロンハ・デ・ラ・セダ)は、1996年に世界遺産文化遺産に登録されました。

図書館の場所と歴史

 このような街にある図書館は、どんな図書館なのでしょうか。まずは、図書館の現在地です。以下の地図からどうぞ!

 この図書館の主な統計値を見てみます。

  • 【主な統計値(2019年)】
    建物内図書館利用エリア:3,099㎡
    入館者数:403,463人
    登録者数:130,961人
    所蔵資料総数:173,362件
    貸出総件数:306,133件
    (出典:スペイン文化・スポーツ省のページ

 バレンシアの公共の中央図書館は、1838年に創立し、1979年に現在の場所に移りました。この場所には、かつて、バレンシアの総合病院がありました。現在の図書館は、その建物を再利用しています。旧総合病院の歴史はとても古く、15世紀前半まで遡ることができます。この病院は、スペインで初めてその建物の形に十字架形の構造を取り入れたそうです。16世紀の中頃には、大火に見舞われたこともありましたが、街中から募金や寄付が集まったおかげで、数ヶ月で復興したとか。現在の建物の内部にある丸天井や装飾された柱に、旧総合病院時代の面影が残っています。

現在は通常開館しているのでしょうか?

 この図書館、実は、現在、何も問題なく開館しているのか、はたまた、閉館してしまっているのか、実はよくわかりませんでした。
 というのも、これまで、その図書館を調べるときは、スペイン文化・スポーツ省のホームージに貼られているリンクからその図書館のホームページにアクセスするのですが、今回はそのリンクが削除されているからです。このようなケースは、初めてで、とても困りました。
 仕方なく、ウィキペディアの下のほうに載っているリンクから、この図書館のホームページにアクセス。けれども、そのページは字がとても小さく、いたるところでリンクが切れており、とても現在利用されているページとは思えませんでした。
 何か手掛かりはないものかとネットで検索していると、”elDiario.es“(エル・ディアリオ)という、スペインのオンライン新聞の記事で、「バレンシアの図書館は、7月は午後のみ開館予定、8月中は休館・・・司書の人手不足がこのまま続けば、業務の規模を縮小せざるをえない・・・」という2019年7月1日の記事を見つけました。2019年7月といえば、まだコロナ騒ぎになる前のことです。

 とはいうものの、グーグルマップでこの図書館の場所を検索すると、左下に、この図書館を利用した方の「すばらしい図書館です!」というような、最近の口コミ情報が投稿されています。
 さらに、ネット上には、この図書館のFacebookのページが存在し、そこには、この図書館で行われたと思われる活動写真がたくさん載っています。

 はて、この図書館は、現在、どのような状態にあるのでしょうか。とても、気になります。もしご存じの方がいらしたら、教えてください。

 最後まで読んで頂いて、有難うございました。

 他の【図書館】も見てみる!

f:id:kimamy:20211205092418p:plain

スポンサーリンク

 

 

ページトップへ

【スペイン図書館】ビトリアにある公共の中央図書館

f:id:kimamy:20211205092418p:plain

 今日は、気ままに、バスク州のアラバ県の県都ビトリア(Vitoria)にある、公共の中央図書館(Biblioteca Pública del Estado en Vitoria-Gasteiz – Casa de Cultura Ignacio Aldecoa)にやってきました。

ビトリアってどんな街?

 ビトリアはスペイン北東部に位置する、バスク地方の1都市。街の名前は、581年に西ゴート王レオビギルドがバスクとの戦いでの戦勝を祝い、ビクトリアクムと命名したことに由来するとか。1200年、カスティーリャ王アルフォンソ8世(Alfonso VIII、1155-1214)が征服し、その王国の一部になりました。旧市街地の丘の上には、12世紀の後半につくられた聖母マリア大聖堂があります。街なかには、12世紀の聖ミゲル聖堂、14世紀の聖ペドロ聖堂などがあります。産業としては、家具、自動車、農業機械などの製造、製糖などが行われています。

図書館の場所と歴史

 このような街にある図書館は、どんな図書館なのでしょうか。まずは、図書館の現在地です。以下の地図からどうぞ!

 この図書館の主な統計値を見てみます。

  • 【主な統計値(2019年)】
    建物内図書館利用エリア:3,673㎡
    入館者数:307,431人
    登録者数:14,112人
    所蔵資料総数:335,054件
    貸出総件数:115,033件
    (出典:スペイン文化・スポーツ省のページ

 今回の図書館のあるのはバスク地方です。バスク地方母語は、バスク語です。だから、図書館のホームページのデフォルト表示言語もバスク語だと思ったのですが、スペイン語で表示されました。スペイン語とは異なる母語を持つ、カタルーニャ州バレンシア州ガリシア州の公共の中央図書館のホームページでは、デフォルト表示言語が、それぞれ、カタルーニャ語バレンシア語、ガリシア語でした。バスク地方はとても民族意識が強い地方と聞いたことがあるので、バスク語がデフォルト表示言語でないことが少し意外でした。なお、右上に言語切り替えボタンがあり、そこからバスク語に切り替えることができます。
 図書館の名称に付されている、イグナシオ・アルデコア(Ignacio Aldecoa、1925-1969)はビトリア出身の作家、詩人です。短編を得意とし、44歳という若さで世を去りましたが、1950年代にスペインで興った小説の新しいレアリズム運動の中心人物の1人であったとか。
 図書館の建物としては、3階建てです。

自動貸し出しサービスの開始

 コロナウィルスの蔓延後、日本の図書館でも、自動貸出機の普及する勢いが加速したように感じます。いつも利用している、市内の公共図書館でも、ほぼすべてのOPAC端末にバーコード読み取り機が繋がれていて、自動貸出ができるようになりました。ビトリア図書館でも、自動貸出機のサービスが最近導入されたようで、ホームページには「新サービス!」(¡Nuevo servicio!)と書かれてあります。設置場所は1階。本や雑誌は貸出、返却ができますが、DVDとCDはサービス対象外。貸出期間の延長処理はできないそうです。

マジック特集のページ

 子どもの利用者向けの推薦図書ページで、マジックの本が紹介されていました。そこで、ネットで少し調べてみると、スペインはなんとマジック王国であるとか。リストの先頭は日本語のタイトルの本、『アスカニオのマジック』とあります。La concepción estructural de la magia(『マジックの構造的理解』)からの翻訳本であるようです。アスカニオ(Arturo de Ascanio、1929−1997)はスペインのマジシャンで、カードマジックを得意とし、彼の理論は世界中のマジシャンに影響を与えたのだとか。

https://web.araba.eus/documents/105044/4840763/Folleto+completo+v+Web+Magia.pdf/cd63d6e5-28d5-02d3-0fbe-f7792f520edf?t=1633677083484

やさしい読書のための活動

 この図書館では、身体的、精神的、社会的など、何らかの理由により、読書をすることが困難な利用者のために、オーディオブックや、読みやすい内容の本を取り備えたコーナーを設けています。こうした取り組みは、1997年に国際図書館連盟(International Federation of Library Associations and Institutions)が示した、ガイドラインに則って行われているそうです。なお、国際図書館連盟は、スペイン語では、Federación Internacional de Asociaciones de Bibliotecarios y Bibliotecasというそうです。

子どもの利用者のための企画

 これまで見てきた公共の中央図書館にも、子どもの利用者向けの特集ページがありました。この図書館では、「哲学講座」(どうして人によってこれほど見え方が違うのだろうか)、「カリグラフ特集」、「市内公園の歴史200周年ガイド」などの特集が組まれています。ご興味がれば、以下のリンクから、どうぞ!

詩の朗読会

 詩の朗読会を紹介するページがありました。日本では、詩の朗読会はそれほど盛んではないと思いますが、スペインではよく開催されます。わたしがスペインの地方の街に住んでいたときも、大学や街の図書館でよく詩の朗読会が開催されました。何度か参加したことがありますが、日本ではまったく経験がなかった分、とても新鮮な印象を受けました。この図書館が開催してきた、過去の詩の朗読会の一覧を見ていたら、なんと、日本の俳句を題材とした回がありました。映像やパフォーマンスを交えながら、俳句を朗読する企画であったようです。ご興味がれば、以下のリンクから、どうぞ!

55歳以上の利用者向け講座

 他に目を引いた企画として、55歳以上の利用者を対象にした講座が開催されていました。クラス名は、「クラス+55」(Aulas +55)。ナイスネーミングです。55歳をすぎると、これまで以上に健康管理が大切です。いろいろなプログラムが用意されていますが、体を鍛えるためのプログラムに登録したら、参加は必須。参加できな場合は、ジムのトレーニングマシーンで自主トレをするようにとのこと。なかなか厳しい講座のようです。

バスク地方の公的・専門機関のオンラインカタログ

 バスク地方にある、公的・専門機関/施設が所蔵する資料をネットを通して検索することのできる、オンラインカタログがありました。図書館、州の行政機関、地方議会、市町村庁、大学やその他の専門機関など、約150のカタログから資料を検索することができるそうです。年に4回メンテナンスを行うことにより、最新の状態に保てるよう心がけているそうです。

図書館のホームページ

 Casa de Cultura Ignacio Aldecoa

 最後まで読んで頂いて、有難うございました。

 他の【図書館】も見てみる!

f:id:kimamy:20211205092418p:plain

スポンサーリンク

 

 

ページトップへ

【スペイン図書館】サラゴサにある公共の中央図書館

f:id:kimamy:20211205092418p:plain

 今日は、気ままに、アラゴン州サラゴサ県の県都サラゴサ(Zaragoza)にある、公共の中央図書館(Biblioteca Pública del Estado en Zaragoza)にやってきました。

サラゴサってどんな街?

 サラゴサは、スペイン北東部に位置する、エブロ川に面する街。古くから、商業、軍事上の要所で、8世紀にイスラム教徒に占領された後、12世紀はじめにキリスト教徒により奪還された以降はアラゴン王国の首都になったこともありました。現在は、スペインにおける工業の中心地の1つになっています。また、フランスからスペイン各地につながる、幹線道路や鉄道が集中し、交通の要所として、商業の中心地でもあります。街には、イスラム時代に築かれたアルハフェリア宮殿、ゴシック・ロマネスク様式の大聖堂、15世紀後半に創立されたサラゴサ大学など、歴史的建造物が多く残っています。また、スペインの誇る天才画家、ゴヤ(1746−1828)が活躍した街としても有名です。

図書館の場所と歴史

 このような街にある図書館は、どんな図書館なのでしょうか。まずは、図書館の現在地です。以下の地図からどうぞ!

 この図書館の主な統計値を見てみます。

  • 【主な統計値(2019年)】
    建物内図書館利用エリア:6,666㎡
    入館者数:545,806人
    登録者数:99,129人
    所蔵資料総数:307,318件
    貸出総件数:275,867件
    (出典:スペイン文化・スポーツ省のページ

 この図書館の歴史は、1920年まで遡ることができます。この年、市民のための図書館ができたからです。建物は、1908年にサラゴサで開催された、スペイン−フランス博覧会(Exposición Hispano-Francesa)用に建てられたものの1つが利用されました。時を経て、1990年に場所を移し、建物も一新されます。その後は、公共の中央図書館として、社会の変化に適応しつつ発展し続けています。

ホタに関するコレクション

 この図書館には、ホタ(Jota)についての資料の充実したコレクションがあります。ホタとは、スペインの民俗舞踊の1つで、サラゴサのあるアラゴン地方に起源をもち、バレンシア地方をはじめスペイン全土に広まったものです。活発な3拍子のリズムで、カスタネットやギターの伴奏に合わせて男女のペアーが情熱的に踊ります。ご興味があれば、以下のリンクから、どうぞ!

多目的ホールと展示ルーム

 この図書館の中地下には、とても立派な多目的ホールがあり、広く公共活動に利用されています。利用のされ方はさまざま。所蔵資料の紹介、会議、座談会、上映会など。収容人数は100人。設備も充実しており、マイク、パソコン、プロジェクター、譜面台、オーディオ機器が揃っています。
 展示ルームも立派です。広さは92平方メートル、約28坪。自然の光をうまく取り入れることによって、展示作品の持ち味を引き出します。
 多目的ホールも展示ルームも、利用可能時間は図書館の時間割に沿っています。月曜日から金曜日までは、9時から21時まで、土曜日は9時から14時まで。なお、出版物や展示作品の販売など、営利目的の利用は禁止されています。

パソコンルーム

 館内のネット環境については、1階にパスワードなしで20分間利用できるパソコンが8台用意されているそうです。3階には、パソコンルームがあり、インターネットに接続されたパソコン24台を利用することができます。各パソコンにはオートメーションソフトも一式インストールされているとのこと。1枚0.1ユーロ(約14円、1ユーロ:約136円〈202205現在〉)でプリンタから紙で出力することも可能。大人の利用者が利用でき、1人につき1日1時間利用することができます。その他、館内Wi-Fiも完備されているそうです。

子ども利用者向けコーナーの充実

 子どもの利用者向けのページがとても充実しています。子どもの利用者向けに文学を楽しむページに限らず、保護者や、児童文学の研究者に対しても、児童書を扱っている地元の出版社や、児童文学を学べる近郊の教育機関の情報を提供しています。なかでも、サラゴサにオフィスをもつ児童書を扱う出版社のリンク集に惹かれました。

楽しそうなブログ

 他にもなにかおもしろそうなページはあるかなあ、と思い探していると、楽しそうなブログのページがありました。1つは、子どもの利用者のためのプログページで、クリックしてみると、トップ画面がとても素敵でした。写真や絵がいっぱいで、更新頻度も高そうです。もう1つは、家族とお出かけするのに適したサラゴサ近郊のオススメスポットを紹介するブログです。こちらも、トップ画面がとても素敵。どちらも、図書館主催のホームページではないようですが、地元の皆さんのサラゴサが大好きな気持ちが伝わってくるような気がしました。ご興味があれば、以下のリンクから、どうぞ!

図書館のホームページ

 最後まで読んで頂いて、有難うございました。

 他の【図書館】も見てみる!

f:id:kimamy:20211205092418p:plain

スポンサーリンク

 

 

ページトップへ

© 2021 きまま