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【スペイン図書館】マドリッドにある公共の中央図書館

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 今日は、気ままに、マドリッド州のマドリッド県の県都マドリッド(Madrid)にある、公共の中央図書館(Biblioteca Pública del Estado en Madrid – Manuel Alvar)にやってきました。マドリッドといえば、スペインの首都ですが、自治州でもあり、県でもあります。けれども、自治州のなかに県が1つしかない一県一州の自治州です。位置は、イベリア半島のど真ん中。標高は意外に高く約650メートルです。王宮、プラド美術館レアル・マドリッドのホームグラウンドなど、見どころはいっぱいです。図書館でいえば、スペイン国立図書館(Biblioteca Nacional de España)があります。今回紹介するのは、州が管理する中央図書館です。日本で言えば、国立国会図書館と東京都立図書館の関係のようなイメージでしょうか。

 さて、いつものように図書館のホームページをみたところ、なんとこの図書館、2019年4月22日から改修のため無期限休館中ということです。初めてのケースです。参考までに、前年2018年の主な統計値を書いておきます。

  • 【主な統計値(2018年)】
    建物内図書館利用エリア:5,593㎡
    入館者数:573,233人
    登録者数:43,805人
    所蔵資料総数:563,080件
    貸出総件数:187,507件
    (出典:スペイン文化・スポーツ省のページ

 ホームページによれば、マドリッド市街の中心には、今回紹介しようとしていた図書館と同じように、州が管理する図書館が他に14館あり、それらの図書館は現在も開館しているとのことです。これらの図書館の多くには、スペインを代表する知識人の名前が付されています。例えば、『スペイン語語法辞典』(Diccionario de uso del español)をつくったマリア・モリネール(María Moliner、1900-1981)、「1927年の世代」の詩人、ペドロ・サリーナス(Pedro Salinas、1891-1951)、同じく同世代の詩人、ラファエル・アルベルティ(Rafael Alberti、1902-1999)などです。今回紹介予定であった図書館の名称に付されている、マヌエル・アルバル(Manuel Alvar、1923-2001)は、スペインの言語学者なのだそうです。彼の死後、2003年に、図書館に対して個人的な寄付があったため、感謝の意を表し、彼の名前が付されたようです。
 無期限休館中の今回の図書館のトップページには、他の14館を利用するための利用者カードのつくり方の案内が書いてありました。読んでみると、おもしろかったので、気になったことを書いてみます。
 日本の図書館との違いでおもしろいと思ったのは、18歳以下の青少年が利用者カードを作る場合は、親族など、法的後見人の保証が必要とのことです。日本よりも、図書館での青少年によるトラブルが多いからでしょうか。
 また、“Bibliometro(ビブリオ・メトロ)”という、地下鉄駅に設置した小さな図書館ブースでの貸出しサービスがあり、そのためのカードの発行の案内も載っていました。このサービスは、12の地下鉄駅に小さな図書館ブースを作って、地下鉄の利用者に、駅で図書館の本を貸し出すサービスです。それぞれのブースに約1,700タイトルの本が常備されているそうです。日本でも、駅ビルに図書館が入っているケースは知っていますが、地下鉄の駅に図書館専用の貸出しブースが設置されているケースについては聞いたことがありません。日本にこのようなサービスはあるのでしょうか。
 また、70歳以上または身体の不自由な利用者のために、“Telebiblioteca(テレビブリオテカ)"という、図書館資料宅配サービスの案内も載っていました。マドリッドのみなさんの本好きと、それを支える公的サービスの層の厚さが伝わってくる感じがしました。
 これら州の管理する15の図書館の他に、同じホームページ内に、ホアキン・レギナ地域図書館(Biblioteca Regional Joaquín Leguina)という大きな図書館へのリンクがあったので、紹介します。この図書館は、レンガ造りの立派な建物で有名なようです。というのもの、この建物、スペインのビールメーカーであるアギラ(Águila)の旧製造工場を再利用しているからです。アギラは、1984年に、オランダのビール会社であるハイネケンの傘下に入り、マドリッドの工場を閉鎖しました。2002年から、その建物を再利用した形です。なお、図書館の名称に付されているホアキン・レギナ(Joaquín Leguina、1941-)は、スペイン社会労働党(PESOE)の政治家で、マドリッド自治州の初代州長とのことです。
 以下、図書館、“Bibliometro(ビブリオ・メトロ)”、ホアキン・レギーナ地域図書館の紹介ページです。ご興味があれば、どうぞ!

 最後まで読んでいただいて、有難うございました。

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