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【スペイン図書館】マオンにある公共の中央図書館

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 今日は、気ままに、バレアレス諸島のメノルカ島の街、マオン(Mahón)にある、公共の中央図書館(Biblioteca Pública del Estado en Mahón)にやってきました。バレアレス諸島は、マヨルカ島、メノルカ島、イサビ島の3つの島からあります。メノルカ島は、マヨルカ島の東隣にあり、諸島内ではマヨルカ島に次ぐ2番目に大きな島です。マオンは、そのメノルカ島の東の端にあります。とても美しい港町です。メノルカ島は、18世紀の間中イギリス領であったため、現在も当時のジョージ王朝風の白い石の家が立ち並んでいます。農業、牧畜の他、靴の製造、人口宝石や真珠の製造も行っています。ジンの蒸留やチーズの生産も盛んだとか。また、「マオンのソース」が、「マヨネーズ」の語源の1つであることでも有名です。

 さて、このような街にある図書館はどんな図書館なのでしょうか。主な統計値を書きます。

  • 【主な統計値(2019年)】
    建物内図書館利用エリア:1,000㎡
    入館者数:98,219人
    登録者数:26,811人
    所蔵資料総数:118,382件
    貸出総件数:51,671件
    (出典:スペイン文化・スポーツ省のページ

 図書館のホームページを見てまず気づくことは、デフォルトの表示言語がカタルーニャ語であること。カタルーニャのほか、バレンシアガリシアバスクなど、スペインが多民族国家であることに、改めて気づかされます。トップページにスペイン語への切り替えボタンがありません。民族意識の強さの表れなのでしょうか。グーグルの翻訳機能でスペイン語に切り替えました。
 この図書館の創立は1861年。とはいえ、図書館に残っている1778年の公文書を紐解くと、すでにその頃、公共図書館をつくろうとする動きがあったことについての記録が残っているとか。当時のマオン市民の意識の高さが見て取れます。市民へ開放されたのは、1866年。時を経て、1948年、現在の図書館の場所に移りました。1950年代からは、文化会館の一部としての運用が始まり、60年代にかけて、多くの試みがなされたそうです。1983年に、名義は「国立」、管理は「州」という現管理体制となり、1985年からは島内すべての図書館を統べる役割を担うようになりました。
 この図書館で注目されるのは、建物。1761年、島内で最も古い地区に、名門メルカダル家のために建てられたのだそうです。当時の敷地は、街の1ブロック全部を占めていたほど。建物は白い砂岩でできた4階建てで、構造は至ってシンプル。大きな箱に三角屋根が付いているような感じで、「シンメトリー」そのものといった感じです。建築様式としては、「新古典主義」なのだそうです。内部の構造も中央階段を軸とした「シンメトリー」。潔いほどのシンプルさです。先に書いたように、1950年代から図書館を含む文化会館として使用されてきました。1970年半ばより老朽化が目立ちはじめ、改修が繰り返されることになります。1987年に大改修がなされ、近代的な設備を備えた今日の姿に生まれ変わりました。その後も小さな改修が続きますが、スペース不足が目下の課題ということ。実際、資料の保存のため、市内に倉庫を借りているということです。
 コレクションについても少し見てみます。郷土資料の中で一番古いのは1632年のもので、イエズス会修道院から譲り受けたものだそうです。その他、特出するものとして、イギリスの医者、詩人であるジョン・アームストロング(John Armstrong、1709-1779) のメノルカ島についての歴史書の初版(1752)を所蔵しているとのことです。また、島内で印刷が始まった1756年当初の初版も多くあるそうです。島内刊行物も豊富で、1811年発行のSemanario de la Isla de Menorcaがあります。この刊行物は現在も刊行され続けいているそうです。貴重書としては、イエズス会カルメル会などの修道院から譲り受けた資料が15,900件、分野は、哲学、神学、医学、文学、歴史など、多岐に渡るそうです。また、古い写本やインキュナブラ(15世紀中頃の活版印刷発明当初の印刷本)も所蔵しているとのことです。
 以下、図書館のホームページです。ご興味があれば、どうぞ!

 最後まで読んでいただいて、有難うございました。

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