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【スペイン図書館】サンタンデールにある公共の中央図書館

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 今日は、気ままに、カンタブリア州カンタブリア県県都サンタンデール(Santander)にある、公共の中央図書館(Biblioteca Central de Cantabria / Biblioteca Pública del Estado en Santander)にやってきました。サンタンデールは、イベリア半島の北の端、カンタブリア海に面する港町です。スペインの主要港の1つで、鉄鉱石、コムギ、毛織物、ワインなどをこの港から輸出しています。また、この港からイギリスのプリマス(Plymouth)行きのフェリーが出ています。街には、ペレーダ公園(Jardines de Pereda、ハルディネス・デ・ペレーダ)や、市議会からアルフォンソ13世(Alfonso XIII、1886-1941)に贈られたマグダレナ宮殿(Palacio de la Magdalena)があります。夏には、クラシック音楽祭が開催され、避暑地としても有名です。

 さて、このような街にある図書館はどんな図書館なのでしょうか。主な統計値を書きます。

  • 【主な統計値(2019年)】
    建物内図書館利用エリア6,775㎡
    入館者数:377,745人
    登録者数:38,906人
    所蔵資料総数:258,128件
    貸出総件数:159,370件
    (出典:スペイン文化・スポーツ省のページ

 この図書館の歴史は1839年まで遡ることができます。初めは、航海技術や商業教育のために設立された施設の図書館であったそうです。1844年に県立図書館になり、修道院から譲り受けた資料を保存するようになりました。1898年、公文書館と図書館が統合されました。1960以降、カンタブリア州内の市町村立図書館が国の主導のもとにまとまっていく過程で、州の管理下に入っていくことになります。1999年には、サンタンデール公共図書館が、カンタブリア州内の中央図書館になりました。2009年には、タバコの葉を保存しておくための主要倉庫の建物を改修して、図書館として再利用することが決まりました。翌年2010年に現在の新しい図書館に生まれ変わり、今日に至っています。
 この図書館のコレクションのなかで、気になったものがあったのでご紹介します。1つ目は、アラブ世界研究についてのコレクションです。カンタブリア県出身のカルメン・ルイス・ブラーボ・ビリャサンテ(Carmen Ruiz Bravo Villasante、1947-)から寄贈された資料で構成されています。2,000冊以上あり、ほとんどの資料がアラビア語とのこと。古典、現代文学スペイン語の作品のアラビア語版などが主だそうです。寄贈者である、カルメン・ルイス・ブラーボ・ビリャサンテは、元マドリッド自治州大学の正教授で、近代アラブ文化の研究者でした。大学を退職した現在でも研究を続けているそうです。彼女の母親である、カルメン・ブラーボ・ビリャサンテ(Carmen Bravo Villasante、1918-1994)は、作家であり、大学における児童文学研究の先駆者として、その分野では有名な方なのだそうです。

 2つ目は、UFO研究に関するコレクション。「UFO研究」はスペイン語では、ユーフォロヒア(ufología)というそうです。なんでも、イカロス財団という財団から2012年に寄贈されたそうで、書籍が約1,500冊、雑誌が50タイトル以上あるそうです。その他、切り抜き記事や、他の媒体の資料もあるとのこと。実際に、いくつかの書籍のタイトルを見てみたところ、『ソビエトUFO関連文書』(Expediente soviet UFO / Paul Stonehill, Philip Mantle. (2010))、『空に起こる不思議なこと』(Wonders in the sky : unexplained aerial objects from Antiquity to modern times and their impact on human culture, history, and beliefs)、『宇宙人』(Extraterrestres : ¿existe vida fuera de la tierra? : ¿ciencia, ficción, complots, rumores, literatura? : selección de artículos de Le Monde diplomatique)など、この分野にまつわる本がありました。

 最後に、これまでの公共の中央図書館ではあまり見かけなかった、児童向けの企画をご紹介します。オシッコやウンチなどの話題を題材とした、この図書館の所蔵している児童書の特集です。この特集の紹介文を読んでみると、徐々に普通の日常生活のリズムが戻ってきつつあるから、またおもしろいコーナーを再開しますと書かれています。その第一弾として、みんなの関心の中心であろう、そうした児童書を集めてみたとのこと。日常生活に戻りつつあるというのは、恐らくコロナ禍が落ち着いてきたことを指しているのだと思いますが、明確に記されていないのでわかりませんでした。実際にPDFをダウンロードしてみると、20ページと充実しています。1ページに2冊か3冊紹介されているので、50冊以上はあるでしょうか。0歳から2歳、3歳から5歳、6歳から8歳、9歳から10歳というように、その年齢に見合う本が紹介されています。例えば、次のような本が紹介されていました。それぞれの年齢から1冊ずつご紹介します。

  • 0歳から2歳
    『トイレ使用中』(¡Ocupado!
    (あらすじ)カペルシータに子ブタに小鳥、みんなオシッコがしたくてしかたないのに、トイレはずっと使用中。待つしかないのだけれど、だれがはいっているんだろう、なんでこんなに長いんだろう、なぞは深まるばかり・・・
  • 3歳から5歳
    『鼻水島』(La isla de los mocos
    (あらすじ)ちびっこ海賊のセラフィンと乗組員たちがイスラチス島に流れ着いた。その島の一族はものすごく大きな鼻をしていて、なんと鼻水で攻撃をしてくるではないか。果たして、セラフィンたちは無事に島を脱出することができるのか・・・
  • 6歳から8歳
    『僕がウンチについて知っているすべて』(Todo lo que sé de la caca
    (あらすじ)ウンチはたとえそう見えなくてもとっても大事なもの。なぜなら、どんな人でもウンチをするから。子どもも大人も動物も・・・だから、ウンチはユニバーサルなものなのだ!
  • 9歳から10歳
    『やあ、オレは・・・オット・テレモトだよ!』(¡Hola! Yo soy...Otto Terremoto
    (あらすじ)オットはみんなの困らせ者。みんなの前で鼻をほじったり、いたずらをしたり・・・今回は、大っ嫌いなお隣さんのアンヘラのパーティーのボイコットを思いついた。さて、どうやってボイコットするのか・・・

 リストに載っている本は、どれもおもしろそうな内容でした。紹介文に笑いが止まりませんようにと書いてありましたが、子どもたちがドキドキわくわくしながら、大好きな話題の1つの本を楽しそうによむ様子が目に浮かんでくるような気がしました。

 以下、図書館のホームページです。ご興味があれば、どうぞ!

 最後まで読んでいただいて、有難うございました。

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