今日は、気ままに、カスティーリャ・レオン州のセゴビア県の県都、セゴビア(Segovia)にある、公共の中央図書館(Biblioteca Pública del Estado en Segovia)にやってきました。セゴビアはグアダラマ山脈の北西の麓に位置し、標高は800メートル以上と高いです。ローマ時代から戦略上の重要な都市と目され、カスティーリャ王国の主要都市の1つとして栄えたそうです。街にある全長約700メートルのローマ時代の水道橋はとても有名。また、街の端の丘の上に立つお城、アルカサル(Alcázar)は、ディズニーの「白雪姫」のお城のモデルになったことで知られています。周辺では、麦を中心とした穀物、麻の栽培、ヒツジやブタの飼育が盛んとのこと。山地では、大理石、石灰岩、花崗岩などの鉱物が採れるそうです。また、レースの編み物や陶器が有名で、お土産の定番になっているとか。
さて、このような街にある図書館はどんな図書館なのでしょうか。主な統計値を書きます。
- 【主な統計値(2019年)】
建物内図書館利用エリア:4,871㎡
入館者数:203,692人
登録者数:32,243人
所蔵資料総数:186,255件
貸出総件数:121,806件
(出典:スペイン文化・スポーツ省のページ)
まずは、この図書館の外観の360度パノラマ映像がありますで、どうぞ!
- 360度パノラマ映像
現在の図書館は、2008年に開館したそうです。図書館のホームページを見る時はいつも、その図書館の歴史を紹介するページから読み始めます。けれども、この図書館のホームページには、歴史について書かれたページがありませんでした。建物も内部装備も非常に近代的であるため、あえて過去のことは書かないようにしているような印象も受けました。そのことを裏付けるかのように、デジタル資料サービスの案内が前面に押し出されている感じがしました。デジタル資料として以下のものがあるうです。
“CINECYL”は、ストリーミング機能を利用して映画やドラマなどを貸し出してくれるサービスなのだそうです。電子書籍については、読むための媒体が3つ紹介されていました。1つ目はスマフォの専用アプリ。図書館のホームページからダウンロードすることができるそうです。2つ目はストリーミング機能を利用した読書用のアプリ。詳しくはよくわかりませんが、クラウド環境を利用してオンデマンドで読書を楽しむことができるアプリのようです。3つ目はダウンロードしたPDFをアドビリーダーで開く読み方です。“CINECYL”にしても、電子書籍にしても、日本の公共図書館に比べて、スペインはとても進んでいるように感じました。日本にも同じようなサービスがあるのでしょうか。わたしが知らないだけなのでしょうか。
他に惹かれた点として、この図書館は、SNSを多く発信しています。以下のようなものがあります。
- @BiblioSegovia(ツイッター)
- BiblioSegoviatv(YouTube)
- Blog infantil(子ども向けブログ)
- Travesías de tinta(大人向けブログ)
- Pinterest(ピンテレスト)
- Scribd(スクリブド)
- Instagram(インスタ)
これらのなかで、“Pinterest”と“Scribd”は聞いたことがありませんでした。いろいろなSNSがあるのですね。“Pinterest”は、他の公共の中央図書館でも見たことがあります。“BiblioSegoviatv”はYouTubeを利用した図書館紹介の動画です。おもしろいので、ご興味があれば、どうぞ!
- BiblioSegoviatv
展示にも興味深いものがありました。出版社であるカルペ社(Editorial Calpe)の歴史についての展示です。カルペ社は、1918に創立され、1925年にはエスパーサ社(Editorial Espasa)と統合します。カルペ社であった期間はほんの8年足らずです。しかし、南アメリカ諸国を含め、広くスペイン語圏への文化普及に尽くした存在意義は極めて高く評価されているとのことです。おもしろそうな展示会なので、見てみたいです。
また、この図書館の新しい試みとして、赤ちゃんへの読み聞かせ企画("PROYECTO BEBÉS DE CUENTO")を始めたそうです。対象は、0歳から3歳児。おとうさん、おかあさんと一緒に本に親しんでもらうための企画です。赤ちゃんへの刺激の与え方はいろいろ。見る、聞く、触る、コミニケーションするなど工夫のしどころはいっぱいありそうです。コースには、次の4つがあるとのこと。
- 読んでくれるって最高
- ストーリーズ・アンド・ソングス
- ブックスタート・ワークショップ
- ピッコロコンサート
どのコースもとても楽しそうです。
以下、図書館のホームページです。ご興味があれば、どうぞ!
最後まで読んでいただいて、有難うございました。
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