今日は、気ままに、アフリカ大陸北部の地中海に面する、スペインの自治都市、メリリャ(Melilla)にある、公共の中央図書館(Biblioteca Pública del Estado en Melilla)にやってきました。メリリャは、セウタと同じように、アフリカ大陸にあるスペイン領の都市です。セウタの東南東約220キロに位置し、周りを囲むモロッコ領土とは壁をめぐらし厳重に分離されているということです。その歴史は古く、フェニキア、カルタゴ、ローマの植民地、イスラム教勢力による支配を経て、1497年にスペイン領となり、今日に至っています。マラガなど、アンダルシア州南部のいくつかの港町からフェリーが出ているのですが、片道で6時間以上かかってしまうため、食料品や日常生活については、モロッコから入手しているようです。
さて、このような街にある図書館はどんな図書館なのでしょうか。主な統計値を書きます。
- 【主な統計値(2019年)】
建物内図書館利用エリア:1,579㎡
入館者数:61,826人
登録者数:23,916人
所蔵資料総数:105,758件
貸出総件数:10,021件
(出典:スペイン文化・スポーツ省のページ)
この図書館の創立は1989年、実際のサービスが始まったのは、1991年とのことです。2006年からサービスの向上が図られ、今日に至っています。新しい図書館であることがわかります。
この図書館のホームページなのですが、これまで見てきた公共の中央図書館のものとは少し異なり、図書館専用の独立したホームページがないようです。自治都市の運用するホームページの中の1ページが図書館に割り当てられている形です。そのため、図書館についての情報量も少なく、少しさみしい感じを受けます。
何かおもしろい情報はないかと探していたところ、図書館の開館時間に特徴がありました。
- 時間割
開館 午前9時30分から深夜0時
クリスマスと聖週間(午前10時から深夜2時)
「深夜0時」まで開館しているのでしょうか。クリスマスと聖週間は、なんと、「深夜2時」まで開館とあります。スペインの地方の街に住んでいたとき、日本での生活時間とは2時間の差があると感じていました。街が動き出すのは、日本は9時、スペインは11時、昼食は、日本は12時、スペインは14時、夕食は、日本は19時、スペインは21時。スペインでは、夏は、21時でも真っ暗になりません。マドリッドの緯度は北緯40度で、青森の八戸とほぼ同じであるにもかかわらず、暗くなる時間が日本と異なります。サマータイムで1時間進んでいることを考慮しても、スペインのほうが日本よりも日が長い印象を受けたのは気のせいなのでしょうか。当時も非常に不思議で、今でも不思議に思っています。友だちとの待ち合わせも、23時は一般的、親しい友だちとは深夜1時は当たり前。日本の生活になれてしまうと、本当にそんな時間帯で生活していたのだろうか、と当時の感覚を忘れてしまいますが、スペインに住んでいた時は、それが当たり前だったので不思議です。一方で、今自分の置かれている状況が当たり前のものでは決してないという視点を持てたという意味で、スペインで生活したことは、とても貴重な体験だったと感謝しています。
このようなことを思い出してみると、「深夜0時」や「深夜2時」まで開館していることは、メリリャの時間の流れの中では、自然なことなのでしょう。
とはいうものの、やはり気になり、いつも「主な統計値(2019年)」を確認している、スペイン文化・スポーツ省のページで、この図書館の開館時間を確認してみました。
- 時間割
月〜金:8:00 〜15:00、15:00 ~22:00
土:9:30〜13:30
- 夏の時間割(7月1日から9月17日)
月〜金:9:00 〜14:00
こちらのホームページでは、平日は22時まで、土曜日は13時30までという開館時間になっていました。図書館のホームページの案内とは、開館時間も閉館時間も異なっていました。また、「月〜金」の開館時間で、15時が重なっているのは不思議です。アフリカ大陸のメリリャではどんな時間が流れているのでしょうか。謎は深まるばかりです。
以下、図書館のホームページです。ご興味があれば、どうぞ!
最後まで読んでいただいて、有難うございました。
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