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【スペイン図書館】バダホスにある公共の中央図書館

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 今日は、気ままに、エストレマドゥーラ州のバダホス県の県都、バダホス(Badajoz)にある、公共の中央図書館(Biblioteca Pública del Estado en Badajoz – Bartolomé J. Gallardo)にやってきました。バダホス県は、エストレマドゥーラ州の中で一番大きい県。農業が盛んで、穀物、オリーブ、ワインの産地です。ヒツジの飼育も行われており、羊毛工業も盛んです。ローマ時代から交易の要所で、国境を接するお隣ポルトガルとの交易も盛んです。バダホス県を流れるグアディアナ川沿いにはローマ遺跡で有名なメリダという街があります。

 さて、どんな図書館なのでしょうか。主な統計値を書きます。

  • 【主な統計値(2019年)】
    建物内図書館利用エリア:6,012㎡
    入館者数:202,504人
    登録者数:42,097人
    所蔵資料総数:175,110件
    貸出総件数:131,107件

    (出典:スペイン文化・スポーツ省のページ

 この図書館の歴史は、19世紀に始まります。初めは、他の多くの公共の中央図書館と同じく、修道院から譲り受けた書物や絵画を保管する役目を担っていたようです。19世紀中頃から目録整備が進み始め、地方の図書館としての体裁を整えていくものの、この地方各地に散逸している資料を収集することはなかなか難しかったようです。19世紀末、この図書館は歴史公文書館に統合されました。その時、本部は中等教育施設に置かれました。当時の蔵書は84,000冊だったそうです。時を経て、1959年、神学校の跡地に引っ越し、1979年までその地にありました。この期間で注目されるべきこととして、詩人のマニュエル・パチェーコ(Manuel Pacheco、1920-1998)がこの図書館の司書だったことです。彼は、バダホス県出身。目指したところは、地元で展開されている詩作運動を、当時スペイン全体で展開されていた文学の前衛運動に結びつけることだったそうです。その後、2012年まで、文化会館に場所を移し、エストレマドゥーラ自治州政府が管理しました。現在の建物は、2009年に着工、2011年に完成、2013年にオープニングセレモニーが開催され、一般利用が開始されました。
 建物は、非常に近代的です。エストレマドゥーラは日照りが強いので、直射日光が入らないように、建物に突起部をつくることにより、日光が館全体に行き渡るように工夫されているそうです。また、建物の四隅が白いコンクリートの太い柱に支えられ、強い日差しや雨を凌ぐ役目を果たしているとか。内部は、地下1階、地上3階。2つの多目的ホールがあり、読書会、展示など、様々な活動に利用さているそうです。なお、図書館名称に付されている、バルトロメ・ホセ・ガジャルド(Bartolomé J. Gallardo、1776-1852)は、バダホス出身の書誌学者で、強権主義を風刺する辞書を作成し、当時の思想界に強い影響を与えたそうです。
 以下、図書館のホームページです。ご興味があれば、どうぞ!

 最後まで読んでいただいて、有難うございました。

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