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【きまカフェ】スペインの地方の古い街のクリスマス

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 スペインはカトリックの国。それだけに、クリスマスは盛り上がります。日本でも、盛り上がりますが、また一味違った感じがします。楽しいのもそうですが、やはり、厳かな感じも加わるような気がします。スペインでクリスマスを過ごしてからずいぶん経ちますが、今でも温かい感じのする記憶を辿って、思い出してみたいと思います。

街の喧騒

 わたしが住んでいた、地方の街では、クリスマスが近づくにつれ、街の中心のマヨール広場に大きなクリスマスツリーが飾られます。モミの木かどうかはわかりませんが、大きくて立派な本物の針葉樹です。郊外の山から切って運んできたのでしょうか。街の目抜き通りにはイルミネーションが飾られます。街のなかではこの時期にちなんだ催しものがたくさん開催されます。コンサート、絵の展示会、詩の朗読会など。市や県主催のものが多いので、お金をかけることなしに、いろいろ楽しむことができます。昔ながらの文房具屋さんにはクリスマスカードが並び、包装紙もクリスマス仕様に変わったりしてうれしくなります。本屋さんにはクリスマス関連の絵本のコーナーがつくられます。街行く人たちもどこかせわしげ。こちらもウキウキしてきます。その時の友だちに、スペインのクリスマスはやっぱりいいものだね、と口に出して言ったことを覚えています。

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ベレン(belén)

 街には教会がたくさんあって、大きい教会でも、小さい教会でも、正門の横に、ベレン(belén)が飾られます。ベレンとは、キリスト降誕のシーンを箱庭風に表現した飾りものです。日本のカトリック教会の門の横でも、クリスマスが近くなると、見かけることがあります。クリスマスイブとクリスマスには、各教区の教会で厳かなミサが行われます。大きな教会のミサはなかの光がとても明るく、その前を通ると、外に漏れてくるお香の香りとその煙が含まれた光から、なかで行われているミサの大きさが伝わってきます。小さい教会のミサは本当に地元の人たちのためのもの。たしかクリスマスの日の朝だったと思いますが、わたしも隅の方に佇んで、そっと見させていただいた覚えがあります。ピンッと張り詰めた雰囲気で、冬の朝の冷たい空気がさらに冷たく感じたのを覚えています。教会離れが進んで久しいスペイン。たしかに、参加しているのはお年を召した方がとても多かったです。たしか、県か州か国か、大きな教会のクリスマスのミサは、テレビ中継があったという記憶があります。

宝くじ(lotería)

 スペインには宝くじがたくさんあります。クリスマスには、恒例のジャンボ宝くじがあります。賞金が高額なので、一攫千金を夢見て、多くの人たちが宝くじを買い求めます。わたしは、クリスマスのときに宝くじを買ったことはありません。でも、一度だけ、オンセ(ONCE:Organización Nacional de Ciegos Españoles)の宝くじを買ったことがあります。オンセは目の不自由な方のための国立の協会です。今はどうかわかりませんが、以前は、どの街でも人の集まるマヨール広場などで、目の不自由な方たちが、オンセの宝くじを売っていました。当選番号の発表はくじを買ったその日の夜。テレビでも発表してくれます。わたしの買ったくじは見事に外れました。

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パーティー(fiesta)

 クリスマスが近づくと、いろいろなところでパーティーが開かれます。わたしは、その街では、学生寮に住んでいました。寮の友達は、みんな故郷に帰ってしまいます。スペイン国内の地方はもちろん、世界中から学生が集まっているので、それぞれのふるさとにお正月休みを兼ねて、長期帰省となります。わたしは、スペインのクリスマスとお正月を見たかったので、この時期は、日本に帰りませんでした。友だちが帰省してしまったあとは、寮も街も閑散とします。でも、クリスマスとお正月を現地で迎える組で盛り上がります。有り難いことに、どこからともなく、ホームパーティーへのお誘いの声がかかります。いくつかのパーティーに行くことになります。それぞれに特徴があります。若い学生が中心ですと、音楽、踊り、飲み。語学学校の友だちは自分たちの国の料理を持ち寄るアットホームなパーティー。公式な食事会も経験し、その会では真夜中の2時にメインディッシュの牛のステーキが出てきました。それを前にし、やっぱり日本とは少し違うと思ってしまいました。親しい友だちとは、みんなで昼間から料理をつくって、心温まるホームパーティー。いつもよりもちょっとだけいいワインで、スペイン式の乾杯です。親しい友だちたちと本当に楽しい時間が過ぎてゆきます。スペインのワインはとても美味しいです。スペインのワインがまとまっているおすすめのページ がありますので、ご興味があれば、どうぞ!

クリスマスカード(tarjeta de Navidad)

 クリスマスが近づいてくると、街の古くからある文房具屋さんにクリスマスカードのコーナができます。種類も豊富。きれいなもの、かわいいもの、仕掛けのあるもの。見ているだけでも何となくワクワクしてきます。何枚かを選んでカウンターに持っていくと、そこにいるのは太い黒縁の度の強いメガネをかけた頑固そうなおじいさんと、そのパートナーか親族かのおばあさん。1代下の息子夫婦が店を取り仕切っています。控えめなクリスマス仕様の包装紙で丁寧に包んでくれます。最後は、息子さんの後ろに控えている頑固そうなおじいさんが渋い声で”Feliz Navidad!“(フェリス・ナビダ!、スペイン語で「メリー・クリスマス」の意味)と一言。その横で、おばあさんがニコッと微笑みかけてくれます。心がポッと温まる瞬間です。外の通りはもう暗くイルミネーションがとてもきれいです。一年に一度、街の小さな文房具屋さんで買ったクリスマスカードを大切なひとに、心を込めて丁寧に書いて、送ります。心が豊かになったような気分になれます。そんなことを思い出していたら、クリスマスのメッセージをメールで送るようになってからずいぶん経ってしまったことに気づきました。今年は、久しぶりに、紙のクリスマスカードを送ってみようと思っています。

クリスマスプレゼント(regalo de Navidad)

 ご存知の方も多いと思いますが、スペインでは、子どもたちは、日本のように、クリスマスイブやクリスマスにはプレゼントをもらいません。年が明けて、1月6日にもらいます。この日はレジェスの祭日(Día de los Reyes Magos)といって、東方からの3人の賢者が、誕生したばかりのイエス・キリストのもとを訪れ、贈り物を捧げたことにちなむ祭日なのだそうです。この日、3人の賢者に仮装した人たちが街中を巡り、子どもたちにキャンディーやお菓子を配ります。そして、子どもたちは、親からプレゼントをもらいます。スペインの子どもたちにとっては、1年で最も待ち遠しい日の1つかもしれません。今年のクリスマスプレゼントは決まりましたか。もし迷っていらしたら、是非、このページへどうぞ!

クリスマスのお菓子

 スペインのクリスマスには、その時期ならではのお菓子があります。トゥロン(Turrón)、マサパン(Mazapán)、ポルボロン(Polvorón)、マンテカード(Mantecado)です。トゥロンは、アーモンドを砂糖やハチミツで固めた平たいお菓子。マサパンは、アーモンドを粉にして砂糖と練ったお菓子。ポルボロンは、細かく砕いたアーモンドをもとにした焼き菓子。とても崩れやすいので口に入れて溶けないうちに「ポルボロン」と3回唱えることができたらよいことがあるとか。マンテカードは、ラードを使った素朴な焼き菓子。これらのお菓子が、クリスマスが近づいてくると、街の小さなケーキ屋さんのショーウィンドウに並びます。どれも、伝統的なお菓子で、形も味も至って素朴。でもそれがなんとも懐かしくておいしいのです。クリスマスに友だちを家にもてなしたとき、その友達は、クリスマス仕様の包装紙に包まれたポルボロンを手土産に持ってきてくれました。そして、これが伝統的なスペインのクリスマスの手土産だよ、とうれしそうに教えてくれたことをよく覚えています。


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 最後まで読んでいただいて、有難うございました。

Feliz Navidad y Próspero Año Nuevo!
(メリー・クリスマス、そして、来年が良い年でありますように!)

 ご興味があれば、クリスマス特集も是非どうぞ!

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