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【スペイン図書館】カディスにある公共の中央図書館

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 今日は、気ままに、アンダルシア州カディス県の県都カディス(Cádiz)にある、公共の中央図書館(Biblioteca Pública del Estado en Cádiz)にやってきました。カディス(Cádiz)は、イベリア半島の南端の大西洋に面した港町です。その歴史は古く、紀元前1100年頃にフェニキア人により建設され、ローマ帝国時代も港町として栄えました。15世紀、コロンブスによる新大陸発見以降は、新大陸との貿易拠点として繁栄を誇ります。しかし、18世紀から19世紀にかけては、ラテンアメリカ諸国の独立、アメリカ・スペイン戦争(1898)の敗北などにより、衰退の道を辿ることになります。周辺の地域では、ブドウ、オリーブ、コルクを産し、塩や魚の加工品の製造、シェリー酒の生産も有名です。今日では、それらを輸出する商港になっています。

 さて、このような街にある図書館はどんな図書館なのでしょうか。主な統計値を書きます。

  • 【主な統計値(2019年)】
    建物内図書館利用エリア:2,019㎡
    入館者数:126,686人
    登録者数:47,249人
    所蔵資料総数:181,619件
    貸出総件数:55,315件
    (出典:スペイン文化・スポーツ省のページ

 この図書館の歴史は1851年まで遡ることができます。当初は、他の公共の央図書館と同じように、カプチン会の修道院などから譲り受けた資料を保管していたそうです。当時の蔵書数は、12,000冊だったとのこと。その後、図書館の場所がなかなか定まらず、市内を転々としたようですが、1910年代に現在の場所に落ち着きました。1950年代、建物の傷みが激しくなり、ついに、図書館の閉鎖に至ってしまいます。これまで、各県都の公共の中央図書館を見てきましたが、「閉鎖」にまで至った例は、これが初めてです。修繕工事が始まったのですが、1971年完成の予定が10年も延びてしまい、1981年、市民へのサービスがようやく再開したのだそうです。1999年、建物内の設備が一新され、今日に至っています。
 図書館のホームページを見ていて、おもしろそうと思った活動は、「読書の巣(Nidos de lectura)」です。お父さん、お母さん、保育士や先生などを対象に、赤ちゃんや幼児への読み聞かせの技術の向上について、一緒に考える場を提供する活動なのだそうです。どんな本を選んで、どのように読むとよいかなどについて、facebookYouTubeを通して、その技術や活動のようすを公開しています。図書館が作成しているYouTubeのページ(Canal YouTube)を実際に見てみたところ、読み聞かせのお薦め本として、ヨシタケシンスケさんの『もうぬげない』(ATACADO)、『りんごかもしれない』(UNA MANZANA)、『あるかしら書店』(La CURIOSA Librería)が紹介されていました。ヨシタケシンスケさんの絵本がスペイン語に翻訳されているだけではなく、こんなにも遠くにある図書館で、読み書かせの推薦図書になっていることに、驚くとともに、うれしい気持ちになりました。
 以下、図書館と、ヨシタケシンスケさんの本が紹介されている読み聞かせ活動のYouTubeのページです。ご興味があれば、どうぞ!

 最後まで読んでいただいて、有難うございました。

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